Rush! / Maneskin 感想レビュー

洋楽レビュー:
 
『Rush!』(2023年)Maneskin
(ラッシュ!/マネスキン)
 
 
大ブレイクを果たした後のアルバムということで、どうなるんだろうと興味津々ではありましたが、こちらの想像を余裕で超えてきましたね。全17曲で前作『Teatro d’ira Vol.1』の倍以上の曲数!しかも8割方がアップリフティングなロックナンバーです。#17『The Loneliest』といったバラードも彼らの人気曲ですけど、ライブのノリそのままにそっちじゃなくてこっちでグイグイくるテンションが最高ですね。
 
しかも全部、目先を変えているので同じような曲がズラッとじゃない。この辺りがマネスキンたる所以というか、強烈な個性を持ったバンドではあるんだけど、そこに寄りかからずに古いとか新しいとかではなく、自分たちのその時々で大好きな音楽をやればいいじゃんという屈託のなさが1曲1曲の個性にも繋がってるという、非常にポジティブな化学反応がここでは起きています。
 
例えば、#2『Gossip』なんてフィーチャリング・トム・モレロですから、ギターでギュインギュインいくわけですけど、よくよく聴いているとエイミー・ワインハウス、テンポ落とせば、まんまエイミーやんっていう。しかもダミアーノのこぶし回しがエイミーそっくりで、サビの声裏返るところなんか多分意識していますよね。
 
マネスキンはエイミーのカバーを若い頃に(今も十分若いですが)ユーチューブにアップしていますから、間違いなく好きなんでしょうけど、そういう好きな部分と今現在の彼らの王道スタイル、そこにトム・モレロっていうところが合わさってなんか分からんけど、時代とかジャンルを超えてカッコいいことになってる。つまり、#9『Kool Kids』で「We’re not punk, we’re not pop, we’re just music freaks」って歌っているようにカテゴリーそっちのけで今やりたいことをやる。それが結果的に17曲全部が違う色を持っていることになる。けれどマネスキンとしての芯がずっと残っているから、マネスキンとしての土台は変わらない。しかも何年も前の曲だけじゃなく最新のアイドルズとかの影響も丸出しで、これこそがマネスキンなんだなと再認識しました。
 
まぁとにかく派手で過剰でカッコいいです。音楽としてだけでなく、カルチャーとして更新してってる感アリです。ミュージック・ビデオも最高なので、そっちも見てほしいですね。先ずは『Gossip』のミュージック・ビデオで度肝抜かれてください(笑)。

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