The Ride/Catfish and the Bottlemen 感想レビュー

洋楽レビュー:

『The Ride』(2016) Catfish and the Bottlemen
(ザ・ライド/キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメン)

英国では初登場で1位を獲得したそうだ。YouTubeで今年のフェスの彼らの模様を観たら、多くの人がが集まっていて、日本にいると分からないが結構な人気なんだということがよく分かる。ボーカルもバンドも飛び抜けた個性があるとは思えないこのど真ん中直球のロックンロールがこれだけウケるというのは、メロディが抜群にいいからだろう。

2ndともなるとメロディに陰りが出て、いささかトーンダウンしてしまうものだが、更に磨きがかかっていい感じだ。フックの効いたサビに強弱を意識したアレンジ、随分と工夫がなされていて好感のもてるサウンドだ。ただ多少一本調子というか、あの曲とこの曲のサビを入れ替えても違和感ないんじゃないというようなスタイルの固定が目に付いてしまうのも確か。それとサウンドもソングライティングも1stから着実に良くなったけど、聴き手を興奮させるような記名性に欠けるような気がしないでもない。オアシスばりに大げさなストリングスを利かせたっていいし、声が似てるって言われるクークスのルークみたいにシャウトしまくってもいい。この手堅さがあればしばらくはイケるだろうけど、もっと突き抜けた何かが欲しいと思うのは僕だけだろうか。

メロディがいいから『グラスゴー』みたいな弾き語りも全然イケてる。優れたメロディメイカーだ。気は早いが次は強烈な個性の発露を期待したい。フェスのヘッドライナーに登り詰めるには特別な何かが必要なのだ。彼らにしてもこのまま普通にいいバンドで終わるつもりはないだろう。

 

1. 7
2. トゥワイス
3. サウンドチェック
4. ポストポーン
5. エニシング
6. グラスゴー
7. オキシジェン
8. エミリー
9. レッド
10. ヒースロー
11. アウトサイド