ポエトリー:
「水色の分母の上に緑色を乗せて」
クソ暑い真夏の朝でさえさわやかに
すいすいとすべる自然の動力をそなえ
普通にいいひとを紹介するノリ
まるで意味がわからない
水色の分母に緑色を乗せたみたい
特に集中力なんていらないみたいにすいすいと
だからその普通にいいひとを紹介するノリ
マジで意味がわからない
水面をすべる木の葉のように
くるっと回ってあんたそのうち
派手に事故っても知らないからね
2023年5月
ポエトリー:
「水色の分母の上に緑色を乗せて」
クソ暑い真夏の朝でさえさわやかに
すいすいとすべる自然の動力をそなえ
普通にいいひとを紹介するノリ
まるで意味がわからない
水色の分母に緑色を乗せたみたい
特に集中力なんていらないみたいにすいすいと
だからその普通にいいひとを紹介するノリ
マジで意味がわからない
水面をすべる木の葉のように
くるっと回ってあんたそのうち
派手に事故っても知らないからね
2023年5月
ポエトリー:
「レビュアー」
カメラが向こう側をむいたから
関係ないことを言うことにする
レビュアーはあること無いこと言いつらね
早くも帰り支度
お前さんが額に入れたのは正解さ
早くも値が下がり始めているがね
結果的にさまよう方を採る
それが我らの性分さ
前面にしつらえられたカメラは反転し
否応なくテキストを映しだす
お前とは面と向かって話をしたくない
そこにはそんなことが書かれてあった
2023年3月
ポエトリー:
「珍しいもの見るようにジロジロと」
冷たい顔がそばに来たから目覚めるの
新しいことしなくちゃってあおるくせに
珍しいものを見るように
ひとの生態ジロジロと
迂闊に思ったこと言えやしないから
わたしは黙って離れる
いみじくも声の隙間に入り込む空気の層
うさんくさくて聞けやしない
心配そうに
見捨てたりしないって言ったって
わたしは一言も見捨てたりしないでって言ってない
冷たい顔でそばに寄られるぐらいなら
珍しいままでよいのだと
眉間に皺を寄せ
誰も近寄るな
かまうことなかれ
今のわたしは誰もいらない
2023年6月
ポエトリー:
「野末」
朝方に見た君の声が
夕方、野末の向こうに落ちていた
君がここを通ったわけでもなかろうに
ポエトリー:
「出て行った」
手当たり次第袋に詰め込む君は
安いからねと
もう夕刻
君の
肩から肘にかけての
星座のようなポイント
そこを突くと新しいものが出てくる気がして
人目も憚らず
僕は人差し指から小指にかけての四本で突いてみた
そしたらどうだろう
かつて無かった花束が
地表の底から湧いてきて
誰かれともなく口々に
おめでとうおめでとうと言うではないか
すると君は
まるで福引きにでも当たったように
恥ずかしそうにお辞儀をして
これから行きますこれから行きますと言うではないか
手当たり次第袋に詰め込む君の
肩から肘にかけての大事なポイントを
僕が見つけたことなど全く知らずに
君はその日のうちに
出て行った
2023年4月
ポエトリー:
「農夫の黄昏詩」
一度発話したことがある
黄昏詩と
思ってもみない方向から言葉が来たと
手拭いを懐に入れ振り向く表情も
黄昏詩だ
艱難に耐え
ようやくここまでたどり着いた表情に
いくら難しい言葉を当てようとも
それは黄昏詩
民族の歴史が
その手に凝縮されるのを
わたしは見たことがある
夕刻
田畑に流れ星は
どこまでも走る
2023年3月
もしも
喉のとおりが悪くなったら
吸い込むのは少しやめて
吐き出すことも熱心に
それでもわたしには
心配事があり
出てくる言葉はつっかえて
よくあること
ありもしないこと
だからなにかのおまじない
それがあなたならなおのこと
もしも
大切なひとへの便り
悪い方角へ向かったら
それは思いがけない悪魔のしたたり
だからなにかのおまじない
金輪際来ないでおくれと
夕暮れ歩く自分の姿に
小さく✕と書きました
ポエトリー:
「四肢」
信じられないかもしれないけど
腕がたくさん生えて暗闇のなか
バタバタと手、伸ばしても
あなたには届かない
信じられないかもしれないけど
背中じゅうに羽が生えて自由飛行
大空へ羽ばたいても
あなたにはたどり着けない
信じられないかもしれないけど
この足は獣より早く
大地を蹴り上げても
あなたを見失う
けれどこの世に生まれた証
あなたを求め生まれた四肢
腕がもげて
羽が引きちぎれて
足が棒になっても
水しぶき上げてもがいてみせよう
すべては他ならぬあなたのため
2022年2月