尋ねていた

ポエトリー:

「尋ねていた」

 

くぐり抜けてきた
うまくいかないこと
その多くを
さして支障はない

星を眺めていた
窓が濡れていた
ぶつかり合う星のこと
考えていた

誓いは嘘をつかない
泣き出した日のこと
もうこれからは
忘れたりしない

街の隅では
静まり返った太陽が
古い喉を枯らして
口笛を吹いていた
傍らの犬も共に
喉を鳴らしていた

違いは嘘をつけない
アケビがそっぽを向いていた
ごめんなさいと嵐がただならぬ風を吹かせ
他ならぬ君の横を通りすぎた

気がつけば星は
新しい時代の代謝
いくらかでも信じるがための光、
少し分けてくれまいかと
見知らぬ風をつかまえては
尋ねていた

 

2021年5月

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