Talking Is Hard/Walk The Moon 感想レビュー

洋楽レビュー:

『Talking Is Hard』(2015)Walk The Moon
(トーキング・イズ・ハード/ウォーク・ザ・ムーン)

 

こりゃ参った。2枚目でこんなに飛躍するとは思わなかった。1stも結構好きだったけど、出来にムラがあったり垢抜けなかったりで、あと一歩だなあなんて思ってたんだけど、一足飛びにその辺はクリアしてしまった。ていうかクリエイティビティが一気にスパークしているぞ。

まず曲がいい。単に感性だけで作ってたものがなんかコツを掴んだみたいで、曲に深みが出て表情が豊かになった。奇を衒う訳でもなく、正統派のソングライティングで勝負できるようになったということか。色んなパターンの曲を用意する余裕もあって、中にはハイムみたいなのやヴァンパイア・ウィ-クエンドみたいなのがあったり。最後の曲の80’S的なニュアンスなんてThe 1975っぽくもある。11曲目で切なくなって、最後の曲でしっとり終わるっていうのもまた見事。2枚目でもう余裕の構成である。

アレンジの方は更に80’S振りに拍車がかかったようでもろ80’Sなのもあったりするけど、ただそこは当然2010年代の音として緻密に作り込まれており、前作では物足りなかったバックが格段に良くなってる。ベースとドラムの多彩なリズムと表情豊かなボーカルが一辺倒になりがちなシンセ・ポップをしっかりリードしているのがポイントかな。

で、ボーカルも更にパワーアップ。#4『アップ・2・ユー』とか#9『スペンド・ユア・$$$』でシャウトしたり、#11『カム・アンダー・ザ・カヴァーズ』や#12『アクアマン』でしっとりさせたりとなかなかなもので、それがまた暑苦しくなくスマート。今どきこんなはしゃいじゃってるのも珍しいんじゃないかってぐらいはじけちゃてるけど、相変わらず近所の兄ちゃん的なノリで好感度抜群のバンドだ。知的な連中は馬鹿にするかもしれないが、結局小さな子供でも跳ねてしまうこの楽しさに勝るものはない。#3『シャット・アップ・アンド・ダンス』なんて何度うちの子供たちにリピートさせられたことか(笑)
準備は整った。次で一気に最前線へ登りつめるか。

 

1. ディファレント・カラーズ
2. サイドキック
3. シャット・アップ・アンド・ダンス
4. アップ・2・ユー
5. アバランチ
6. ポルトガル
7. ダウン・イン・ザ・ダンプス
8. ワーク・ディス・ボディ
9. スペンド・ユア・$$$
10. ウィー・アー・ザ・キッズ
11. カム・アンダー・ザ・カヴァーズ
12. アクアマン

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