ポエトリー:
「ジョギング」
裏側まで走る洗濯の群れ
白いシーツ雲に流れ
軽く走り込んで、去る
みたいな
うわべだけ
上手だね
「それジョギング?」
鷹揚に
すべりこむ
2021年4月
ポエトリー:
「ジョギング」
裏側まで走る洗濯の群れ
白いシーツ雲に流れ
軽く走り込んで、去る
みたいな
うわべだけ
上手だね
「それジョギング?」
鷹揚に
すべりこむ
2021年4月
ポエトリー:
「共感」
君によせた共感の
ほんの一ミリでもちゃんと伝わっていればいいのに
君の傾きを少しでも思い止まらせることができたらいいのに
なんて
夜の無責任
はな紙みたい
2021年3月
ポエトリー:
「輪廻」
支えられる輪廻
ふた口めをスプーンにすくう
ぼくに出来ること
きみへの目覚め
少しおどかしてほしい
可愛らしいまつ毛におどる
台風のようなひとみ
渦の真ん中には一点
支えられる輪廻
向かわせてほしい
川は流れず吹きこぼれる
スプーンに三口めをすくう
音がして君のうちへ入る
2021年1月
ポエトリー:
『線』
会いたくなると 凍えるの 吹きだまり 水色の 当てもない交差点 見上げれば ほら みんなが知っている水色 空 それなのに 頑なに こらえる心と体が一致する 夕刻まで待てないと あなたも一緒でしょ 一瞬で 夕闇にうっとりする人 もがき苦しむほど 場違いなはらわた 煮えくり返り おまえのせいだ おまえのせいだ とせっつく 軽く口止めする 輩 柔な瞳につっかえて 今晩のおかずは スーパーに立ち寄る秘密 冗談でいいから コロッケひとつ おまけしてください 真面目に話しかけると スーパーの店員の笑顔を鳴らし それでも雲の形は 変わらない もしくは変われない 水溜まり それを写す鏡 水色の空を見下ろし 派手に歪んだ似姿が ぼんやりと海の彼方へ あなたの方へ 帰りたい 帰りたいのと呟く 私の色は かまわないで足踏み 見上げれば 当てもない交差点 苦手な骨格が現れる 私の線がそこにある
2021年2月
詩について:
『詩に触れる』
仕事でも趣味でも長く続けていると時折気付きが訪れます。世間的にはどうか知らないけど、そういうことか、こうすればよいのかという自分の中での新しい発見。誰にもそういう経験はあると思います。
僕は下手な詩をもう10年ほど書き続けていますが、僕なりの発見はこれまでに幾度か訪れました。先日のテレビ放送『SWITCHインタビュー 達人たち ~ 佐野元春×吉増剛造』もその一つです。内容については既に記載しているので省きますが、これは自分にとって得難い気付きでした。
そこで吉増剛造さんの詩を、もちろんこれまでも詩のアンソロジーや雑誌やなんかで吉増さんの詩に触れることはあったのですが、ちゃんと詩集を読んだことはなかったので、番組で吉増さんが朗読していたあの『黄金詩篇』、これを読みたいと思って、早速Amazonで検索したんですけど無いんです。番組終わりによくある皆が殺到して売り切れとかそういうことではなく、恐らくもう刷っていない。取り扱い外になってるんです。
番組終わりに僕と同じように吉増さんに興味を持った方、たくさんいると思うんですけど、こうやって現代詩への接近の機会を失ってしまうの、非常に残念です。今はネットで著作権はどうかは知らないけどアップしている人もいるし、吉増さんの他の詩集であったり、簡単にまとめたものがあるので是非、多くの人に吉増さんの詩を手に取ってもらいたいですね。
これはずっと前の僕の気付きでもあるんですけど、詩を書く力と読む力は繋がっているのではないかということ。これは詩に限らず、短歌や俳句も、或いは音楽や絵画もそうかもしれません。鑑賞する能力とそれに取り組む能力は互いに影響し合っている、そういう部分があるんじゃないかと思っています。
現代詩、非常に難解ですよね。でも頭で追っかけていかなくていいと思います。理解したという証を求めなくてもいいと思います。とはいえ、あまりにも取っ付きにくい。だからこそ触れる機会を持って欲しい。多分これは慣れだと思うんです。僕たちの日常に溶け込んでいれば、どんな難解な詩であっても何となく肌で感じていればそれでオッケー、人がどうかでも作者の意図がどうかでもなく自分はこんな感じ、というのを気軽に持てるようになれば、多分それが文化だと思うんですが、そうなればとても嬉しいです。
ですので現代詩という今の時代において随分と遠くに離れてしまったものに対して出来るだけ多く人に触れて欲しい。目に馴染んで欲しい、そう願っています。ビカソの絵を初見で見てもなんのこっちゃだと思うんですが、有名ですからもう目に馴染んでいますよね。誰でも何がしかの感じることはある。でもいちいち理解の証を求めないですよね。そういう風に現代詩とも気さくな関係を築いていければ、そしてやがて短歌な俳句のように自分でも気楽に創作していける関係になれば、詩を好きな人間として、こんな嬉しいことはないですね。
ポエトリー:
「シグナルは黄緑」
昨日には 春の嵐が吹き溜まり
黄緑の 花びら装束買いに行く
太陽を遮る手のひらに昇る稜線
気取っていた 似合わないシャツに着替え
日溜まりの光線 夏に浴び
気付いてた 指折る日毎に傷付いていた
外面をぶら下げ靡くお堀端
手のひら繁る黄緑シグナル
蓄えたものが今にも無くなる
秋にはなんだか後ろめたく
後ろの席でずっと、眺めたい
今すぐ始めたい
いい加減にしておくれ
この湯加減は止めにしておくれ
今再び、手のひらの稜線が 行けと言う
もう二度と お前たちの世話にはならないと
春の引き戸、怯える気持ち
私たちどうか無事に、
新しい地球の歩き方 始めます
2稿 2021年3月31日
『SWITCHインタビュー 達人たち ~ 佐野元春×吉増剛造』