なだれ

ポエトリー:

『なだれ』

 

自意識に触れる
マグマのわだかまりを
反省の意味で
撫でつける
幾人も無しの
ただの白い
面影橋

(地響きに揺れる
 僅かなわだかまりを
 満面の笑みで
 投げつける
 意気地無しの
 だだっ広い
 重い架け橋)

硬い針の
慟哭で記された
対決色の
決め事を
尖った靴履いて蹴り上げ
蔦絡まる思いは
はしたない

(空威張りの
 広告に照らされた
 耐熱式の
 秘め事を
 尖った口調で掻きむしり
 忸怩たる思いは
 明日には)

全体を通して
嘆きにもあらず
倦怠感の花

(全体をして
 げに懐かしき
 近代のあだ花)

咲かす
明日に備えし
スローな現在

 

2019年4月

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