ロック・イン・ジャパン・フェスの中止に思うこと

その他雑感:
 
 
ロック・イン・ジャパン・フェスが中止となった。この夏はオリンピックだけを見ておけということだろうか。
 
開催1か月前に茨木県医師会からフェス主催者へ延期にするなり、開催するにしても更なる防止策を施すよう求めた。主催者側はこの1年、フェスを復活させるべくテストを実施。自治体とも協議を重ねながら、今回のフェスもステージを7つから1つに減らしたり観客数を通常の半分以下に減らすなど、会場への導線も含めて様々な対策を取ってきた。しかし医師会が求めるのは更なる対策。つまり観客の会場外での行動も管理せよ、というものだった。そんなこと出来るはずもない。要するに医師会の見解は「やめろ」ということ。開催1ヵ月前にこんな踏み絵とは。
 
医師会はフェスというものは若者がただ騒ぎたいだけと思っているのではないか。違う。世の中には音楽がないと生きてゆけない人が大勢いるのだ。つらいこと、苦しいこと、年に数えるほどの音楽フェスを心の拠りどころにして頑張って生きている人たちは沢山いるのだ。何故そのことが医者である彼らに分からないのか。
 
僕は昨年末にコロナ禍で開催されたライブに行った。行くことを随分迷ったが、行ってよかったと今は思う。そこでは演者だけでなく観客までもが新しい形のコンサートを作ろうと主体的に行動し前を向いていた。何故か。僕らは音楽を愛しているからだ。こんなつまらないことでライブを失いたくないからだ。
 
三度の飯よりオリンピックが好きという人もいるだろう。でもオリンピックが始まろうが何しようが寄席に行きたい人は寄席へ行くし、美術館へ行きたい人は美術館へ行くし、おれは見るよりやる方が好きなんだとフットサルへ出かける人もいるし、オリンピックなど少し見ずにいつもどおりソロキャンプへ行く人もいる。すべては同じ地平にあるのだ。そしてその選択は絶対に強要されてはならない、制限されてはならない。
 
医療従事者の皆さんには本当に頭が下がる思いだし、感謝の気持ちでいっぱいだけど、それとこれとは別の話。何故この勧告が1ヶ月前になったのか。これがどういう意味を持っているのかを茨城県医師会が理解しているとは思えない。

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