備忘録

その他雑感:
 
 
 
その日、大阪市内にある会社でパソコンの画面を見つめていると、何か画面が揺れているような感覚になった。最初は気のせいかと思っていたのだが、だんだんと軽い車酔いをしてるような気分になり、あれ、オレなんか調子悪い?眩暈でもしてるのか?と思い始めた。まるで液状化現象のような、何か柔らかいものがゆっくりと動いているような感覚だった。
 
ほどなく誰ともなく、俺も、私も、と同じような感覚を口にする人たちが現れ、僕たちのフロアは1階だったので、すぐ隣の駐車場へ、「地震かな?」とか「地震とはちょっと違うよな」とか言いながらパラパラと外へ出始めた。 同僚としばらくそこで話をしていたが、特に何も起きる気配はなかったので、僕たちは事務所に戻って仕事を再開した。けれど柔らかいものの上に乗っているような感覚が完全に体から抜け切れたかどうかは判然としなかった。
 
デスクに戻り、ヤフーニュースをチェックすると、確か「宮城県沖で地震発生」との速報のみが表示されていたと記憶している。しかし、先ほど体験した感覚は僕の知っている地震とは違ったし、何より宮城県の地震がここまで影響を及ぼすとは考えにくかったので、この二つを結びつけることはなかった。未曾有の災害が起きたと知ったのは、家へ帰ってテレビを付けてからだった。
 
僕は大阪に住んでいて被害は受けていないが、毎年3月11日になれば、あの日、自分は何をしていたかを思い出している。特に意味はないが、このことはこれからも続けていくだろう。

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