The 1975 『A Brief Inquiry Into Online Relationships』 レビュー ~プロローグ~

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The 1975 『A Brief Inquiry Into Online Relationships』 レビュー ~プロローグ~

 

僕たちは本当にクリック一つで地球の裏側まで行けるようになったのだろうか?それでも自分の年齢を知るのは集めたレコードの数だったりコーヒーの種類だったりするのだけど、君が何回あいつに連絡したのかは知らないし、僕があの子に何回電話したのかに至っては本当にどうだっていい。絵の描き方を一度も習ったことはないけど、僕たちは何度もトライアンドエラーを繰り返し気付いたことは嘘はいけないってこと。なのに連中の話すことに一切真実はないし、けれどそれを僕たちは愛さなければいけない。近代化が何ももたらなさいにせよ、それが僕たちがこしらえたものならば僕たちはそれを愛さなければならない。とはいえ何に付け自己言及的な僕は君に僕の間違いになって欲しいとうそぶく。それでも僕たちは友達になれるかな?まさか憎み合って終わったりしないよね?死ぬのが怖い。ちゃんと話し合いをしたい。だから銃は要らない。でもインターネットは要る。インターネットは君の友達。けど恐ろしいことに君がどこかに行ってしまってもインターネットはどこにも行かない。君の大体の事は知っている。加工された写真も知っている。これからも君はきっと上手くやれる。でも僕は本当の君を知りたい。ややこしいことに足を突っ込んで抜けられないなんてことあるよね。君無しじゃ生きている気がしないとか(笑)。そこで僕たちは静かに過ごす。余計なことは話さない。彼女はここでのリハビリをもう一週間続けることにしたらしい。言いにくい事があればジャズの調べに乗せたらいい。ほら、本当の事でも傷付けたりしない。僕は君の時間を無駄にしたって言うけれど、これ以上どうやって愛すればいいのだろう。僕は本当の人生を歩んでいない……、だから僕はいつも死にたい。時々。どうしようもなく生きたい。

これらは全て、the1975というバンドのスクリーンの中の物語。けれどそれは今、世界で起きている出来事。或いは彼らなりのオンライン上の簡単な調査。

追伸:結局、本当に大切なことは僕たちの些細な日常にしかない。時代が変わろうとも真実は毎日の暮らしの中にしかない。個人的な事を正直に話すことこそが(この正直っていうのが最も難しいが)、世界についてを話すこと。

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