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When You See Yourself / Kings of Leon 感想レビュー
Mechanical Bull/Kings of Leon 感想レビュー
洋楽レビュー:
『Mechanical Bull』(2013)Kings of Leon
(メカニカル・ブル/キングス・オブ・レオン)
今年も色々音楽を聴いて、最近で言えばビッグ・シーフやボン・イヴェールにハマったりして、それらは別に小難しい音楽ってわけじゃないけど、簡単にスッと入ってくるようなもんでもないので、聴いている時は割と脳みそがワサワサと立ち働いている。そこへきてステレオフォニックスの新譜を聴いたりなんかした日にゃ、「これだよこれ!!」と『いだてん』の嘉納治五郎の如く膝を叩いてしまうのだが、このキングス・オブ・レオンもそんな膝を叩いてしまうバンドの一つだ。
ロックと言っても最近は色んな要素がごちゃ混ぜだから、純粋にバンドだけで勝負しようなんてのは稀でフォニックスとかキングス・オブ・レオンなんかはホント希少価値。最近はややこしい音楽に耳が慣れてしまっているから、キングス・オブ・レオンを聴くとあまりの音の少なさに驚いてしまうが、ただ何回も聴いてるとそれが心地よくて心地よくて、でまたこれが飽きない。結局バンドとしての一体感というか彼らはバンドにとって一番大切なものを持ち得ているということなのかもしれない。
とか言いながら僕がキングス・オブ・レオンを知ったのはグラミーを獲った4thアルバム『オンリー・バイ・ザ・ナイト』(2008年)の頃で、ただその時は試聴したりパッケージを手に取りかけたりはしたんだけど、実際はその大げさなサウンドにこりゃ小じんまりしたU2だなという印象を持ってしまい、伸ばしかけた手を引っ込めた経緯がある。てことで本作のリードトラックである#1「Supersoaker」を聴いた時には驚いた。なんだこの軽快さは。同じバンドとは思えない身軽さがあるではないか。
この時点で(2013年)キャリアは丁度10年ということでベテランという訳ではないが、なんか余裕たっぷりというか迷いがないというか。ただ調べてみると、ここに至るまで結構紆余曲折があったみたいで、それらを突き抜けて辿り着いた先が今作ということのようだ。
それにしても軽快だ。最初にかかる#1「Supersoaker」だけじゃなく、アルバム屈指のロック・チューン#5「Temple」にしても感動的な#8「Comeback Story」にしても全くベタつかない。#8「Comeback Story」にはストリングスが入ったりもするけど、それもほどほどで、むしろ遠慮がちだから余計心に響く。『いだてん』まーちゃん風に言うと「グッとくるじゃんね~」って感じだ。
僕が割と信頼している洋楽サイトで2010~2019年のディケイド・ベスト・アルバム50という企画があってそこに下の方ではあるんだけどこの『Mechanical Bull』が選ばれていた。記事を読むと今最もライブが素晴らしいバンドのひとつだと書かれていて、やっぱこのアンサンブルはバンド力なんだと。海外じゃ大物なんだけど、日本じゃそんな人気ありそうじゃないから来日は望み薄だけど(今更ちっちゃいライブ・ハウスでやるバンドでもないからね)、来日したら是非観に行きたいバンドの一つだ。
Tracklist:
1. Supersoaker
2. Rock City
3. Don’t Matter
4. Beautiful War
5. Temple
6. Wait for Me
7. Family Tree
8. Comeback Story
9. Tonight
10. Coming Back Again
11. On the Chin
(Bonus Track)
12. Work On Me
13.Last Mile Home
ボーナス・トラックもいいぞ!!
Walls/Kings of Leon 感想レビュー
洋楽レビュー:
『Walls』(2016)Kings of Leon
(ウォールズ/キングス・オブ・レオン)
思い起こせば、このアルバムが家に届いたのは2016年の年末の押し迫った頃。早速ミニコンポに放り込んで聴いてみたら、笑ってしまった。なんだよ今ごろって。それはまるっきりいい意味で、つまりそろそろ今年のベストはどれにしようかなんて思っているところにこんなキレのいい奴来ちゃったよっていう。そうそうキレがいいんだよなあ。と、調べてみたら2003年デビューで今回が7枚目ということでもう結構なキャリア。それでこれだけ瑞々しい作品を出せるんだから大したもんだ。
そういや前のアルバムは個人的に年間ベストに挙げたぐらいの気に入りようだったんだけど、実はそのアルバムが僕にとっての初キングス・オブ・レオンで、今思えば随分勢い余ってベストにしちゃった感が無きにしも非ずなんだけど、でも近頃じゃ聞かなくなった外連味のいいロック・アルバムだったのは事実で、僕にとってはとても新鮮だったんだな。で一応初めてだったからそういう感覚を得たと思っていたわけなんだけど、今回の新しいアルバムもまた同じように外連味よくて、ああやっぱこの人達はこういう人達なんだなあ、と。
ただ今回は長く一緒にやってきたプロデューサーから離れ、新しい人と組んだとのこと。ということで随分と新しい気持ちが入ったアルバムになっていて、なるほど、このフレッシュさはそういうところからも来ているのかもしれない。ついでに言うと無理しちゃってるアルバム・ジャケットがちょっと恥ずかしいぞ、おい。
取り立ててどうということもないんだけど、この4ピースでガッと行ってしまえる強みはやっぱ特別な何かを持っているということ。ピアノとかストリングスで盛ること無しに一気に聴かせてしまう力技。でもガレージとかパンクの強引さとは違うスムーズな触感。一方でザラザラとしたロック特有のいたたまれなさというのが滲み出てくる。そこにはいいメロディを書くソングライティングとケイレブの喉に何か詰まったようでいて、よく届く声の力が大きい。どこか抜けたような親近感もいい。
前半のキャッチーな曲だけでなく後半のややテンポを落とした曲も聴き耳をそらさないのは流石。兄弟バンドならではの継ぎ目の無さもあるのだろうけど、取り立ててどうということの無いこの4ピースが出すサウンドには何故か説得力がある。欧米各国で1位を獲得したのがその証し。
Tracklist:
1. Waste A Moment
2. Reverend
3. Around The World
4. Find Me
5. Over
6. Muchacho
7. Conversation Piece
8. Eyes On You
9. Wild
10. WALLS