折坂悠太 ツアー2024 あいず 心斎橋BIGCAT 4月15日 感想

ライブ・レビュー:

折坂悠太 ツアー2024 あいず 心斎橋BIGCAT 4月15日

 

今この時に折坂悠太は何を歌うのだろう。そんな気持ちを持ちつつ、初めての折坂悠太のライブに足を運んだ。その4月15日は月曜日。先週末から体調が芳しくなく、そのうえ月曜日という気分もあって、初折坂だというのに気持ちは上がらない。仕事を切り上げへBIGCATに到着。なんとか間に合った。そして定刻、バンドが現れた。

小さなライブハウスなので、演者が良く見えた。と言っても僕は極度の近視。眼鏡を掛けてはいても表情までは見えない。が、そんなことは別にいいや。折坂のギターが初っ端からいい音。彼らの世界にどっぷりと漬かることが出来た。

アルバムのリリースがあったわけでもなく、これといったプロモーションがあったわけでもないのだろうけど、ちょっとしたツアーを実施。こういうツアーは面白い。制作中なのだという来るべきアルバムに備えての新曲も沢山演奏してくれた。知らない曲なのにいい感じだ。ま、知っていても知らなくても折坂悠太の曲は馴染みがいいからスッと入ってくる。

そうだ、大半の曲は知らなかった。このところの新曲『人人』や『鶫』はあったけど、僕が持っている2枚のアルバムからの曲はそんなになかった。でもそれでいい。ていうか今夜はそれがいい。歌詞ははっきりと聞き取れない、けどぼんやりと耳に飛び込んでくるフレーズが、あぁ折坂悠太だなぁ。それにあの声、マイクは通しているけど、ダイレクトに聴こえる。張り上げる声と合間にボソッと話すMCの声、同じ人だという実感ができる。

特にテーマが無かったのだろう。バンドの演奏、アレンジも多岐にわたっていてとてもよかった。アンビエント音楽のような時間もあれば、どうしたプログレかと思う時間もあり、エレキギターがぎゃんぎゃん鳴る時間もあった。このバンドはパーマネントなものかどうかは知らないが、アルバムを一緒に作っているようだから気心知れた間柄なのだと思う。とてもいいバンドだった。

アンコールでも新曲が披露された。中盤がスポークンワーズ形式になっていた。最終的にはメロディが付くのかどうか知らないが、そこで「子どもをまもろう」と明確に語る折坂悠太がいた。今この時に彼は何を歌うのだろう。ぼんやりとそんなことを思いながらのライブであったが、時折そうした今の実感が聴こえてきたような気がする。うん、特に何かできるわけじゃないけど今はそれが素直な本音だ。

ちなみにツアー・タイトルの’あいず’は’eyes’なのだそうだ。僕はてっきり’合図’だと思っていた。勿論、織り込み済みだと思う。日本語は面白い。次は大阪城野外音楽堂とかで見たいな。狭いライブハウスがちょっと窮屈だった。

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