たった一日

ポエトリー:

「たった一日」

 

12月31日は12月31日というだけで12月31日の顔をする
1月1日は1月1日というだけで12月31日の事など何もなかったかのように
1月1日の顔をする

三月の時で言うと
卒業式の日は期待するほど何も起こらない
何も起こらないけれど何も起こらないことで日々は過ぎてゆくということを知る

好きな人と初めて過ごした時
その翌日は素晴らしい一日
よく耳にする幸せとはこういうものかと体中で知ることになる

近しい人いなくなった時
現実が重くのしかかる
当たり前のことを知る
現実の意味を知る

たった一日で
この魂が砕けてどこかへ行ってしまうかもしれない
頭をぶつけたり、腕を失ったり、体全体が爆発してしまうかもしれない
もちろんいい事だって
一億円が当たったりだとか
その時はどういう気分か想像つかないけど

僅か一日ですべてが変わって見える
そんな一日を生きていると何度か経験する
僅か一日ですべてが変わって見えるのではなくて本当に変わってしまうこともある
例えば今住んでいるところがなくなっちゃうとか

とにかく
すべての事は僅か一日で変わってしまう
これまでがそうだったように私たちのこれからもたった一日で変わるだろう

とはいえ
さっきまで12月31日の顔をしていた12月31日がたった一日で1月1日の顔になるのだから
別にどうってことない
どうってことないだろう

 

2017年1月

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