CATCH / Peter Cottontale 感想レビュー

洋楽レビュー:
 
『CATCH』(2020年)Peter Cottontale
(キャッチ/ピーター・コットンテイル)
 
 
久しぶりにピーター・コットンテイルの『Forever Always』が聴きたくなってSpotifyで検索したら、このアルバムが引っ掛かりました。出てたんですねアルバムが。こんなことも分かるんですから大したものですSpotifyは。
 
ピーター・コットンテイル、本名はピーター・ウィルキンスという人です。シカゴを拠点に活動するプロデューサー兼アーティストで、ザ・ソーシャル・エクスペリメントのメンバーです。ザ・ソーシャル・エクスペリメントというのはこれもシカゴを拠点に活躍するチャンス・ザ・ラッパーが中心となったバンドで、チャンスさんの曲を聴いたことある人なら分かると思いますけど、あのポジティブで寛容な空気がこのアルバムにも流れています。
 
このアルバムにはチャンスさんもラップで参加していますが、全体としてはラップだけじゃなくソウル、R&B、ゴスペル、そういったものが混ぜ合わさったアルバムで、特にゴスペル、こっちの要素が強めですね。ゴスペルといえばということで、あのカーク・フランクリンも登場するし、ま、ピースフルでグレイシーなアルバムですね。個人的にはこちらもシカゴ関連のジャミラ・ウッズのボーカルが2曲聴けるのが嬉しいです。
 
チャンスさんをはじめこの手のサウンドには随分聴きなれてきた感があるので、特に目新しいものがあるというわけではないんですけど、曲の良さ、トラックの良さ、幸福なムード、そうしたものはやっぱり何度聴いても心地よいです。もちろんポジティブ一辺倒ではなく、『Don’t Leave』という切ない曲もあるし、なによりこうしたプロジェクトによくあるようにゲストが多彩ですから、アルバム通していろいろな表情を楽しめます。しかしピーターさん、えぇ曲書きますなぁ。
 
残念なのはシカゴ一派特有のフィジカル盤は出さないというやつで、このアルバムもネットを介してしか聴けません。折角いいバンドが心地よいサウンドを鳴らしているのだから、ま、うちのミニコンポも大したことないですけど圧縮されたものよりずっといいし、スピーカーを通したなるべくいいサウンドで聴きたいなと思うんですけど、連中はフィジカル盤出す気にならんもんですかね(笑)。

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