Me Chama de Gato que Eu Sou Sua / Ana Frango Eletrico 感想レビュー

洋楽レビュー:

『Me Chama de Gato que Eu Sou Sua』(2023年)Ana Frango Eletrico
(ミ・シャマ・ヂ・ガト・キ・エウ・ソウ・スア/アナ・フランゴ・エレトリコ)

25才で3枚目のアルバムだそうです。ブラジルでは大層な人気だそうで、音楽以外にもアート本を出すなどマルチに活躍している才能溢れる方のようです。2023年のベスト・アルバム選のあちこちに顔を出すものだから気になって聴いたのですが、おったまげました。最高じゃないですかこれは。ブラジリアン・ブギーなんて言葉もあるみたいですが、なんせすごくゆるくていい感じです。彼女の甘いんだけど、まるで言うこと聞かなさそうな声もなんかいい。

あと国民性ですかね、根底にユーモアとか陽気さが流れているような、いやサンバみたいな楽しい感じではないんですけど、ゆる~くボーっとするみたいな気楽さがいいです。でも音楽としちゃイケイケで攻めてます。唯一英語表記の#5『Boy of Stranger Things』なんて転調してシャウトですからカッコいいのなんの。でも基本的にはオシャレ感満載のアルバムですね。

このオシャレ感、なんか聴き覚えあるなぁと考えたら渋谷系ですね。あの時のピチカートファイブとかフリッパーズギターみたいなセンスの塊みたいなオシャレ感。パァ~パァ~っていう女性コーラスとか管楽器がふんだんに使われている点なんかもまんまそうだし、サンプリングをかなり多用しているところなんかホント渋谷系。加えてフレンチポップのフワフワした雰囲気もあるから、ほんとにオシャレ。あと言語的な面白さ、これはポルトガル語ですかね、耳当たりが妙に心地いい。ポルトガル語と日本語って相性よいのかな。

とても気に入っているので、彼女の過去作も聴いていますが、それも最高です。来日公演してくれないかな。