ポテトサラダ

ポエトリー:

『ポテトサラダ』

 

エアコンから君の噂話
温度を下げて聞こえなくしてしまおう
キッチンに戻って食べかけのポテトサラダ
君の得意技
マヨネーズが少しばかり多い

君はキッチンに立った
現代音楽の巨匠みたいに
味はともかく、
うるさかった

鍋を二個以上使うのが苦手だった
君の得意な料理がポテトサラダで
僕の得意な料理が麻婆豆腐というのも
君が気に入らないことの一つだったけど
そういうところがいいと言う僕をまた
君は気に入らなかったのも事実

努力すべきことではないと知りながら努力をし続けた僕たちに見切りをつけ君は
世界の事を少しだけ知り得た猫みたいに大きく背伸び
律儀に話し合いをして僕たちの夏は終わった

僕がこうして
ポテトサラダを作るのは
君を懐かしんでいるからではなく
マヨネーズが少しばかり多くなってしまうのも君のせいじゃない

けれど僕の作るポテトサラダが微妙に上手くいかなくなったのは
きっと全部君のせいだ

 

 

2017年7月

Night Buzz/高田みち子 感想レビュー

邦楽レビュー:

『Night buzz』(2004) 高田みち子

今ちょうど季節は雨。梅雨の季節である。僕が高田みち子さんを知ったのはかれこれ5年以上も前のこと。ちょうどラジオで梅雨の日特集をやっていたのがきっかけだった。僕は一瞬で虜になった。アルバムを探したけど、あったのは4,000円も5,000円もする中古品。もう新品は何処にも無かったんだな。高いのを買うのは癪だから、時々ネットをチェックをしてたんだけど、ようやくお手軽価格を発見。といっても定価よりは若干高めだった。でも新品がもう無い以上ここを逃す手はないと迷わず購入。その時はもう次の年の梅雨の季節になっていた。

僕がこの時ラジオで聴いたのは『雨は優しく』という曲。静かなバラードだ。サビで「雨、雨、雨、、、」とただ繰り返すだけのこの曲がとにかく素晴らしくて胸にじーんと来た。それこそ雨の情景が浮かんで、僕が浮かんだのは部屋の中から見える雨の景色で、外は暗くて粒が見えるくらいに降っている。こういうのを叙情詩というのかな。恋の終わりの歌だからエモーショナルな歌詞なのに、湿っぽくなくてただ淡々と「雨、雨、雨、、、」。雨のクセに湿っぽくならない、というかなれないという感じがまた切なくて。僕はこの時以来、6月になると毎年聴いている。

情景が浮かぶもう一つの要因はサウンドだ。演奏がホントに素晴らしい。バンドのメンバーはかつて山下達郎や坂本龍一らを輩出したという「What is Hip」なるユニットだそうで、折角だからここで名前を挙げておくと、松木恒秀(guitar)、岡沢章(bass)、野力奏一(piano, organ, keyboards)、渡嘉敷祐一(drums, perc)という面々。高田みち子とは何度か一緒に組んでアルバムを作っているようだ。

とにかくいいバンドで、『雨は優しく』では雨の音など一つも入ってないのにホントに雨が降っているような気がしてくるし、『カナリヤ』ではカナリヤが飛び去っていくのが見える。『僕らの樹』ではちゃんと目の前に大きな樹がそびえ立つんだな。歌に静かに寄り添っていて、ホントに素晴らしい演奏だ。

あとこれは僕の好みだけど声がいい。こういうちょっと低くて鼻にかかった声、ほんと大好きだ。『僕らの樹』で聴こえる伸び上がるパートは至福の瞬間です。あ、僕の好みなどどーでもいいか(笑)。とにかく、明瞭で知的、表現豊かで素晴らしいボーカリストだと思います。

新品は無いけど、ダウンロード版はあるみたいで、しかもハイレゾ版もあるそう。ホントいい時代になったもんだ。

 

1. 51st Street, Lexington Avenue
2. chocolate
3. 雨は優しく
4. カナリア
5. Night buzz
6 Don’t Say A Word
7. 春を待ってる
8. Your God
9. 夕暮れと嘘
10. The Tracks Of My Tears
11. 僕らの樹

引き出しはゼロになる

ポエトリー:

『引き出しはゼロになる』

 

本当のことを知りたい君 夜更かしがやめられない

全部0にして朝を迎えるつもり しかし朝の光が気持ちを拡散

1からやり直し 本当と嘘を折りこみ

引き出しの奥 遠く耳鳴り

黒いTシャツから覗く 軽く尻込み

人を好きになって自分を知る 0にはなれない

この気持ち積上げて 時空の壁を蹴り上げる

地球の自転を越え ついでに月の公転も越え

何周も何周も素早く ダイナミックに何周も

ところでふと 始まりはいつだか終わりはいつだか

朝はどこだか夜はどこだか また1からやり直し

引き出しは結局 全部0になる

 

2017年7月

Ti Amo/Phoenix 感想レビュー

洋楽レビュー:

『Ti Amo』(2017)Phoenix
(ティ・アモ/フェニックス)

6枚目、2013年の『Bankrupt!』から4年ぶりのアルバムが届いた。そう、フェニックスのアルバムは届いたという言い方がしっくりくる。メイン・ストリートから少し離れたところで、自分たちのペースで音楽を奏でる。いい曲が幾つかできたから皆に紹介するよ。いつもそんな印象だ。でもしっかりとした芯があって、哲学と言うのかな、そういうものが揺るぎない。今回は前作とは一転、穏やかな音楽。しかし彼らの意志がこれほどはっきりと示されたアルバムは過去になかったのではないか。

タイトルはイタリア語で「愛している」。なんでも今回のアルバムは‘イタリアの夏のディスコ’というイメージで作られたそうだ。僕はイタリアに行ったことはないけど、頭に中に浮かんだのは、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』とか『ライフ・イズ・ビューティフル』とかのあの景色。夏の南イタリアの風景だ。そういえば最近のインタビューで面白いことを言っていた。「例えばマカロニ・ウェスタン。あれはイタリア人の解釈で撮られたウエスタン映画。そこに面白さがある。今回のアルバムで言えば僕らのヴィジョンを通したイタリア。そこには僕らを通過した歪みがある。」。これは面白い指摘だと思う。でも表現というものはすべからくそういうものかもしれないな。

彼らはベルサイユ宮殿の傍で育った根っからのパリジャン。けれどいつも英語で歌う。しかし今回は珍しくフランス語の歌詞がふんだんに出てくるし、タイトルどおりイタリア語の歌詞だってある。ということで、彼らの音楽は元々ヨーロッパ的だけど、今回は特にヨーロッパ的だ。これは意図的にそうしたというより、自然とそうなったという方が的を得ているのではないか。彼らの皮膚感覚がそうさせたのではないかなと思う。要するに今ヨーロッパは大変な時期を迎えていて、その影は彼らの日常にも落ちているということ。しかし彼らは殊更そのことについて歌ったりはしない。むしろここで歌うのは半径数キロ、生活圏の物語だ。自由を愛し、お喋りを愛し、そして愛を語るのやめない人々のちょっとした物語。そういう身近な事を歌っている。彼らが今、一番大事にしているのはそういうことなんだと思う。

そういう意味ではサウンドも穏やかだ。前作で目に付いた派手なサウンドは随分と控えめ。初期の頃の、それこそ2枚目の『Alphabetical』のような隙間を活かした音作りがなされている。派手なシンセの音が遠ざかった分、ちょっとしたギター・フレーズがよく聴こえて心地よい。ひと言で言うととても優雅。言葉もロマンティックだけど、サウンドもロマンティック。穏やかだけど物凄くエモーショナルでとてもいい感じだ。

エモーショナルと言えば、最後の曲なんてたまらない。いつまでもこういう素直な表現が出来るのは素晴らしいと思う。僕たちにもイノセンスを信じ続ける強さが必要だ。

1. “J-Boy” J-ボーイ
2. “Ti Amo” ティ・アーモ
3. “Tuttifrutti” トゥッティフルッティ
4. “Fior di Latte” フィオール・ディ・ラッテ
5. “Lovelife” ラヴライフ
6. “Goodbye Soleil” グッバイ・ソレイユ
7. “Fleur de Lys” フルール・ド・リス
8. “Role Model” ロール・モデル
9. “Via Veneto” ヴィア・ヴェネト
10. “Telefono” テレーフォノ

映像が喚起されていい感じ。
彼らの優しさと強さが入り混じったいいアルバムだ。
僕のお気に入りは#4。美しくて幸せな気分になる。

Be Here Now/Oasis 感想レビュー

洋楽レビュー:

『Be Here Now 』(1997)Oasis
(ビィ・ヒア・ナウ/オアシス)

オアシスがデビューしたのは1994年で、全世界で2,300枚以上売れたと言われる『モーニング・グローリー』は1995年。で、この『ビィ・ヒア・ナウ』が1997年つうことで僕はどんぴしゃの世代なんだけど、全然聴いてなかったんだよなあ。僕は当時、1960年代とか70年代とかの古い音楽ばっか聴いてて、リアルタイムで流れてるやつには全然興味なくって、だから当時のブリット・ポップ・ブームは全くの蚊帳の外。今思えば随分勿体ないことをしたなんて思うんだけど、仮に当時の僕がこの「僕らの音楽」全開のオアシスを聴いてたら一体どうだったんだろうかとも思う。どっちにしても素通りしてたのかもしんないけど、でも今こうやって聴いてるとオアシスは例外、こりゃ夢中にならざるをえんでしょ、ってな特別なパワーを感じてしまう。

この『ビィ・ヒア・ナウ』が出た当時はオアシス絶頂期の頃で、そりゃ勿論リリース時は熱狂的に受入られたんだけど、時間が経つにつれそれまでのシンプルなロックンロールからかけ離れた重厚なサウンドにあちこちで賛否両論があったみたい。当のノエル自身も後からあんまりのような発言をしちゃったりということで、このアルバムは幾分残念な作品として知られている。

とは言っても僕からすりゃ全然カッコよくて全然残念なアルバムではなくて、だいぶ後の最後のアルバムから比べれば、そりゃあもう本気度が全然違うし、曲もいいし、リアムもガンガン歌ってるし、流石にちょっとそない繰り返さんでもええやろとか、そないアウトロ引っ張らんでもええやろとか、要するに世間の評判通りの「どんなけ長いねんっ!」てな突っ込みは入れ放題なんだけど、この力入りまくりの巨大なエネルギーに比べたらそんなことは些細なことで、普通に考えりゃこりゃめっちゃかっこええアルバムなのだ。

なんでも1作目から3作目までの曲はデビュー前にほぼ書き上げていたらしく、要するにノエルがそっからこれは1st用、これは2nd用てな具合に配分してたということで、そう考えりゃこのアルバムのやたら大げさでギター被せまくりのサウンドは、ノエルにしてみりゃ想定内ということかもしれない。ただ勢い余ってやり過ぎちゃった感はあったかもしれないが、1stからの異様な上昇カーブを考えたら、こうならざるを得んでしょってことで、この調子に乗り具合もオアシスらしくていいんじゃないだろか。

となると徐々に下降線を辿ってくこの後のアルバムもそれはそれで興味深いんだけど、今はただリアムのやったらんかいボーカルに酔いしれておこう。脂乗りまくりのリアムの声はやたらかっこいいぞ。2016年に出たリマスターのデラックス盤はノエルによるデモ音源(全曲!)が売りのようで、これはこれで完成してるやん、ていう程の出来らしいが、俺はそんなものいらない。リアムの声がなけりゃただのいい曲。

1. D’You Know What I Mean?
2. My Big Mouth
3. Magic Pie
4. Stand By Me
5. I Hope, I Think, I Know
6. The Girl In The Dirty Shirt
7. Fade In-Out
8. Don’t Go Away
9. Be Here Now
10. All Around The World
11. It’s Gettin’ Better (Man!!)
12. All Around The World (Reprise)

#1に#4に#5に#8に#10に#11に、、、
なんだかんだ言って名曲目白押しっ!

自由を愛し お喋りを愛す

ポエトリー:

『自由を愛し お喋りを愛す』

テレビの語学講座を観るのが好きです
特にどこの国というわけではありません
学ぶためではありません
ただ観ているだけです
外国の文化、風習、言語、そういったものをなんとなく観ているだけです

ヨーロッパの国々からニュースが届きます
近頃は爆弾が破裂した
そんなニュースが届きます
大通りで
フットボール会場で
コンサート・ホールで
それは無差別の起きます
ヨーロッパは今、生と死が背中合わせのようです

欧州の人たちは食事を大切にします
カフェを大切にします
お昼休みは家に帰って過ごす
何時間も過ごす
うらやましい限りです

イメージはやはりオープン・カフェ
家であっても出先であっても
地中海で採れた食物と太陽の日差しを浴びて外で過ごす
そんなイメージです

そんな憩いの場にも死は突然訪れます
それでも彼らは外にいることをやめません
彼らにとって何より大切なことは
自由でいる事なのです

ちなみに僕の国では自由さより公平さより経済が優先されます

2017年6月、
フランスのバンド、フェニックスの新しいアルバムが届きました
彼らの音楽はいつもヨーロッパ的だけど今回は特にヨーロッパ的です
タイトルは『Ti Amo』といいます
イタリア語で「愛している」という意味だそうです

ほぼ全編、レストランやカフェのイメージです
大勢の人たちで賑やかなオープン・カフェ
昼も夜も恋人たちは思い思いにお喋りを楽しみます
『Lovelife』なんてタイトルの曲もあります

それがきっと彼らのアティチュードなのだと思います
困難に立ち向かう彼らのアティチュードなのだと思います
ヨーロッパの人たちは今日も外でお喋りをします
お喋りと自由を愛し、愛を語るのが大好きな彼らの日常は今日も続くのです

 

2017年6月

君は世界の端っこをつかまえた

ポエトリー:

『君は世界の端っこをつかまえた』

 

世界の端っこをつかまえて

君は「見て!ねぇ、これ」

僕が思ったことは

きれいな手

 

アルコールで消毒して

南イタリアの男みたいにエスコート

そしたらほら

すみっこに新しい朝

何処にデビューするつもり?

 

それで思い出した

君が言ったこと

耳をふさいでないと見えないものは

大した事じゃないって

 

君の声

月の満ち欠け

二人を隔てているもの

早く地平線に沈めばいい

 

僕は祝福するよ

君の門出

困ったことがあったら言って

なんなら今日のうちにでも

明日になったら忘れてしまうから

僕は忘れっぽいから

 

石畳の上で

噴水の傍で

観光客に紛れて

二人を隔てているもの

遠く地平線へ

 

君は世界の端っこをつかまえて

空の便

果てしなく南の空

 

2017年7月

In Rainbows/Radiohead 感想レビュー

洋楽レビュー:
『In Rainbows』 (2007) Radiohead
(イン・レインボウズ/レディオヘッド)
 
レディオヘッドを聴いている時の感覚は他では得られない。楽しいわけでもないし、癒されるわけでもない。ただ聴いていると気分がいい。きっと彼らの音楽には押しつけがましい主義主張がないからだろう。いや、主義主張がないわけじゃない。押しつけがましくないというだけ。
 
珍しくメロディ主体の曲が多い。かといって歌ものと言えるかどうか。もうボーカルはボーカルでなくていいのだろう。ただの楽器か。明確な意思か。どちらにしても声と楽器が共鳴していることは間違いない。曲ひとつひとつについても同じだ。恐ろしく完成度の高い曲はそれひとつで完結している。緩やかに結び付けられているだけだ。
 
今回の曲は統一感がある。同じ美意識に則っている。詞はシンプルなものが多い。後半に向けてスッと畳み掛けていく展開の曲が多い。突き詰めてそうなったのか、自然とそうなったのか。この時の彼らの美意識とはつまりこんな感じだったのか。バッキンガム宮殿の衛兵交代式とか、日本で言う横綱の土俵入りとかそんなような様式美。レディオヘッドにもこんな時期があるんだな。押しつけがましくないぶん余計うっとりしてしまう。ただそれを鵜呑みにしていいのかどうか。
 
レディオヘッドを聴いていると気分がいいが、このアルバムは特に気分がいい。彼らの様式美が僕にはしっくりくる。メフィストの甘いメロディだ。
 
 
 1. 15 ステップ
☆2. ボディスナッチャーズ
 3. ヌード
 4. ウィアード・フィッシズ/アルペッジ
 5. オール・アイ・ニード
 6. ファウスト・アープ
☆7. レコナー
 8. ハウス・オブ・カーズ
★9. ジグソー・フォーリング・イントゥ・プレイス
 10. ヴィデオテープ

さよならソレイユ

ポエトリー:

『さよならソレイユ』

 

あいつは町一番の娘に手を出した
僕たちはみんなあいつの勇気を讃えた

その娘は何処からともなく現れた
親の仕事の関係だとか前の学校で事を起こしたとか
でも僕たちはどれも信用していなかった
本当のことは誰も知らなかったが
そんなことがなくても娘は神秘的だった
けれど僕たちはすぐに打ち解けた
僕たちと言ってもそれは‘僕たち’のことで僕のことではなかったが
僕たちの輪の中に彼女がいた
それは僕を満足させていた

僕は一度だけ彼女と二人きりで言葉を交わしたことがある
暑い日に偶然、町に一軒しかない郵便屋で
彼女は僕に尋ねた
「‘さん’がいいのかな‘様’がいいのかな」
僕は自分でそれは相手によるんじゃないかと言ってすぐに慌てた
宛先を詮索しているように思われる、そしてその狼狽ぶりを悟られるって
けれど彼女は何も気付かないふりをして
「相手は大人だからやっぱ‘様’はいるよね」と答えてくれた

いや違うんだ、
僕は君が誰に手紙を送るのかを詮索するっていういやらしい気持ちが働いたわけじゃないんだ
けれど次に僕がしたことと言えば自分がやるべき動作、
つまり自分の手紙に封をするってことだけに集中したいと、ただそれだけで

僕たち二人にはそんなようなことしか起きなかった
彼女はそんなようなことには慣れていた

あいつはそういうところが無かった
聞きたいことはずけずけと聞いた
顔が赤くなるようなことまで平気で聞いた
後で知ったことだけど彼女も言いたいことを言う人だ
僕たちはみんなあいつの勇気を讃えたが
あいつは無造作に言った
「俺は彼女が好きなんだよ」

あいつと娘は僕たちの輪から徐々に離れた
二人はよく似合っていた
僕たちの輪の中に二人がいなくても何も変わらなかった
ある日あいつが一人で戻ってきてもどうってことはないだろう
けれどあいつが一人で戻ってくる前に
娘は町からいなくなった

結局、あいつを除いて僕たちには何ひとつ分からなかった
僕が知っていることはひとつだけ
今年の夏の一番暑い日に彼女が大人に手紙を出した
それだけだ

僕が郵便屋へ行くのは自分が書いた書き物を雑誌社へ送るため
このことはまだ誰にも言ってないけど多分彼女はそれを知っても驚かないだろう
彼女はきっとはそういう人だ

僕は今日も郵便屋へ行く
自分が書いた書き物を出すためだけじゃなく

さようなら!瞬きをして一瞬で何処かへ行った僕のソレイユ
僕はやっぱり 君のことが好きなんだ

 

2017年6月