アート・シーン:
和泉の国 ジャズストリート 2019年 感想
今年も大阪府和泉市で「和泉の国ジャズストリート」が開催されました。毎年9月の秋分の日付近の土日を利用しての2日間ですね、泉北高速鉄道の始発駅である和泉中央駅周辺の広場、なかにはトヨタさんやホンダさんの敷地を利用して街を上げての一大イベントが行われます。
私は和泉市に数年前に越してきまして、しかも和泉中央駅なら自転車でスイスイーっと行ける距離なので、毎年生活の合間を縫ってフラフラッと覗いております。
てことでチラ見ですから感想という程のものでもないのですが、今年はスゴイ人たちを発見したもので、もう黙っていられないというか、その感動を忘れないうちにここへ記しておこうと思います。
このイベントはJAZZ STREET っていうぐらいですから、基本はジャズ。それも本格的なビッグ・バンドから少人数のシンプルな編成まで多種多様のバンドが登場するのてすが、今回私が驚いたのは3人編成によるバンド、その名も jamです。
中心人物はすーじー(鈴木潤)さんという年配の男性。メインは口笛なんです。それもちょっとこの方、世界口笛選手権のチャンピオンじゃないのっていうぐらいの口笛スキルをお持ちの方で、でスゴイのは口笛だけじゃなくスキャットというか、それもダミ声スキャットでリズムを転がしたりもするのです。
更にスゴイのは楽器。私は音楽は聴く一方なので詳しい楽器の名前は分からないのですが、すーじーさんは木箱みたいなのに座りまして、股関の木箱をジャズのドラムスティックであるブラシでザクザク叩く訳です。で足元にはなにやらペダルが幾つかありましてそれを使いこなす、更にはトライアングルやウィンドチャイム(バラバラの鉄琴が縦にぶら下がったやつです)、最高に面白いのはヒヨコの鳴き声が出るオモチャの空気笛とか、ポッポーッていう機関車の汽笛笛、あとパフッパフッっていう豆腐屋の警笛ですかね、そういうのを手の届くところにセットし自在に操りながら口笛吹いたりスキャット決めたりするんです。
あと両サイドにいらっしゃるお二人も素晴らしくって、すーじーさんのサポートに徹してるんですけど、向かって右側に立ってらっしゃる まんさん さんはブルースハープとかマンドリンとかコミカルな曲ではカズーですかね、色んな楽器を取っ替え引っ替え、控え目に、コミカルであるけれどもそこにちゃんとある情緒を奏でるんです。
左側にはキーボード奏者のmaruchanさん。この方がまたプロフェッショナルな演奏でバンドを落ち着かせるというか的確なんですね。女性らしい滑らかな音で、誰しも心の内にある一方の静けさを保つのです。だからこの3人の組み合わせはホントに素晴らしかったです。
こういうフェスではプロの方もいらっしゃるのですが所謂週末ミュージシャンもいて、中には妙に場馴れした方もいらっしゃるんですね。そうすると、ま、ここは関西ですから妙に笑わそうとする人たちもいる、ま、素人バンドあるあるなんですが(笑)、その点jamさんは面白くコミカルな表現も沢山あるのですが、真剣に取り組んでいる、故意に笑わそうとしていないんですね。コミカルな表現はあくまでも演奏の中の話。面白いことを真面目に取り組んでいる。こういうスタイルが私、やっぱり好きなんです。
演奏終わりにフライヤーを頂きまして、そこにはjamさんの今後の演奏予定やブログのアドレスなどが載っていました。また機会を設けて是非観に行きたいなと思っています。
jamさんブログ… http://jamkuchibue.blog.fc2.com/
当日も直接気持ちを伝えたのですが、ここで改めて。Jamの皆さん、楽しく心に響く演奏をありがとうございました!!