Author: よんきー
優しさがない
ポエトリー:
「優しさがない」
ないの優しさが
と虚しさが頬をつたう
それはいつのことだっけ
幾らで買ったのか
問いかけることもせず
とるに足らない言い訳
ただ足元を見ると
捨てた言葉が掃くほど溢れ
今はまた別の方角から風に吹かれ
無い物ねだりと知りながら
白身の粘り気が苦手で
ちゃんと火を通さないと駄目だった
喉を通るものだけを食べなさい
昔の母みなそう言ったが
今は涙が止まらないんです
休日
ポエトリー:
「休日」
am7:30
あどけない朝の態度がとても優しい
心の隙間に潜んでいるものたちの声が聞こえます
その言葉のひとつやふたつ
耳たぶに貼り付けて今日は過ごしましょう
それで困るくらいなら
今日はおそらく駄目でしょう
朝から真夏日でクラクラになります
暑い日のお化粧は体に堪えます
am8:30
午後からのキャンセル
致し方ない?それとも人格との戦い?
もともと気にしてないって言ってあげるわたしは天才
でも十日も雨が降らないと食べ物が心配
今はただひたすらあなたを患っていて
そうだとしても食べ物は心配
別腹ですから
am10:00
いつかの
耐えきれなかった時間がまた現れる
今度も
自分が嫌になるなら黙っているのがよいでしょう
今度会うときは花束を添えてあなたに届けようと思う
困らない勇気、あなたはまぁまぁあると思う
am11:30
今日はいい感じで午後を迎えられそうです
でも心臓破りの坂は体に悪いから今日はやめておきます
今は簡単に蛇口をひねって喉を潤すぐらいの気持ち
いろいろありますが、
それぐらいの元気はあるようです
ぼちぼち銀河 / 柴田聡子 感想レビュー
Mr. Morale & The Big Steppers / Kendrick Lamar 感想レビュー
このアルバムは前後半、Volume1(Big Steppers)とVolume 2(Mr.Morale)に分かれているんですね。
ではまた
ポエトリー:
「ではまた」
わたしたちの
額に流れる汗
いつもより濃い目のコーヒー
通りに面したカフェで
わたしたちは互いの困難や苛立ちを語り合い
時には大げさに笑いあった
これまでの暮らしがわたしたちに与えたものは
初めから無かったものを無理やりぶら下げるようにして
雨傘や
時には進軍ラッパをかき鳴らし
人々がこうと決めた目的地まで
一目散、声を競ったんだ
見返りに求めたものは何だったのか
見知らぬまま胸ポケットの裏返し
朝昼晩、過不足ない食事を摂り
時折無駄をした痕跡
体のあちこちに歪む意思
もう二度と
交わることはないと知りながら
今日は昨日のこと
明日は今日のこと
わたしたちの
額に流れる汗
いつもより濃い目のコーヒー
無事に過ごせばいいじゃん
通りに面したカフェで
わたしたちは今日も
大げさに笑いあった
2022年8月
岡本太郎展 中之島美術館 感想
10 Tracks to Echo in the Dark / The Kooks 感想レビュー
読書の秋
肌色からベージュへ
ポエトリー:
「肌色からベージュへ」
肌色からベージュへ
わたしたちはひとつの物語に仕舞われることを拒否した
炎は木からしか生まれない
その喋り方だと絶えず歯形が付くよ
いつかは思い浮かべる
まぶたの上
わたしたちは選択した
そして時折互いの名前を呼んだ
思い巡らせた後の幾つかで
わたしたちは合致した
人は死んだあと
どれだけそこにいるのか
今はもういないのか
夜明けまでにもいないのか
肌色からベージュへ
まだ誰も起きていない朝の
一番鳥は泣く
2022年4月