Pratts & Pain / Royel Otis 感想レビュー

洋楽レビュー:

『Pratts & Pain』Royel Otis(2024年)
(プラッツ&ペイン/ロイル・オーティス)

 

オーストラリアの新人デュオ。ラスト・ディナー・パーティーやフリコがドカンと来た一方でその隙間を縫うように個性的なバンドが登場している。この二人もなかなか凄い。先の2組が将来のヘッドライナー候補だとすれば、こっちはもっと斜に構えたひと癖もふた癖もあるバンド。ドラムスみたいなへなちょこロックかと思えば、シェイムみたいな硬派な一面もあってどれが本当の姿か分からないが、きっとどれも本当の姿。

しかしそれが誰でもできる手垢のついた代物であれば何もわざわざ表現することは無い。ここには彼らなりのやり方で彼らなりに捕まえた真実を彼らなりの誠実さで表現せざるを得ない性急さがある。一見すると変態的な音楽が鳴ってはいるように見えるけれど、彼らはロックの系譜にただ忠実たろうとしているだけ。ここには後に取っておこうなどという成熟さは一切なく、ただ自分たちの思い出を救い、目いっぱい青空に投げつける焦燥感しかない。へなちょこでも剛速球でも気にしちゃいられない。これは青春のパンク。あらゆる音楽をとっかえひっかえ夢中になり、ありとあらゆる栄養を身に付けた彼らは迷いなくアウトプットする。

これはあれに似てる、これはあれっぽいというのはあるにせよ勿論それらも織り込み済みで、彼らにとってはそのいずれもが大切な音楽。そんな距離が離れているわけでもない音楽を行ったり来たりしながら、妙に耳に付く愛嬌のあるメロディー。それを支えるのはギター。やっぱり青春はギターだ。

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