邦楽レビュー:
E-girls PERFECT LIVE 2011-2020 in 三重県営サンアリーナ 2020年2月22日 感想
中3のうちの娘がですね、E-girls の大ファンでして、年中歌ったり曲を流したりしてるんです。でライブに行きたいと、今年で解散するからどうしても行きたいと。まぁ娘の受験もめでたく終わったんでね、じゃあ合格祝いで行こうかということになりまして、で付き添いはママ、ではなく何故か私が行くことになりました(笑)。
ママはね、中学生がそんなん行くもんちゃうなんて言ってたんですけど、私としては行かせてやりたいなと。中3ですから1年間頑張ってきましたし、それに彼女にとって人生初のコンサートになるわけですから、これは心に大きく刻まれるわけです。15才で観た初めてのライブというのは彼女にとってかけがえのない思い出になるんじゃないかなって、それは春からの高校生活への励みになるんじゃないかなって。ですから反対するママを説得してですね(笑)、いつもはそう簡単に説得できないんですけど今回は分かってくれたみたいで、娘を念願のE-girlsライブへ連れていくことができました。
私としても娘と二人でライブなんてこれが最初で最後かもしれないわけですから、おっさんがE-girlsのライブへ行くという気恥しさはあったんですけど、私も基本的に音楽は好きですから。それに娘の本当に喜ぶ顔が見れる、大切な場に一緒に居れるっていうね、そこがやっぱり大きかったですね。
私たちが行ったのは三重県営サンアリーナでのライブです。大阪在住なんで5月の大阪公演に行けばよかったんですが、春からの高校生活がどうなるか分からなかったので今行こうと。はるばるアーバンライナーに乗って三重まで出かけました。
18時開演だったんですけど着いたのは15時前。娘がグッズを買いたいと、なんでもライブ会場限定のグッズがあるとかで、グッズ販売は13時からだったので本当はもっと早く行きたかったみたいですが、そこも色々話し合いをしまして(笑)。結局15時前に着いたんですけど、それでも娘が欲しかったグッズはちゃんと買えたみたいだったので、ほれみぃ、買えたやないか、ということでここは丸く収まりました(笑)。
と前置きが長くなりましたが肝心のライブ。こういうのは私も初めて観たのですが素直に良かったです。ていうかちょっと感動しました(笑)。理由は二つあります。一つはやっぱり娘ですよね、横で見てると大好きなE-girlsのライブということで本当にいい顔をしてるんです。そこに先ず感動してしまいまして、ハイ、親バカですな(笑)。でも彼女がどれだけ好きかっていうのは日常を見て知ってますから本当によかったなって、そこはもう親として胸が熱くなりました。
でもう一つ、これはE-girlsのパフォーマンスですね。彼女たちも本当に精一杯歌って踊っていて、これが解散コンサートということで、私はこれまでの彼女たちの活動は全然知りませんけど、想像するに十代のころからここに青春をかけて頑張ってきたわけですよね。それがこの日の彼女たちの素晴らしいパフォーマンスに繋がっているって考えると、私は全く彼女たちの肉親でもなんでもないんですけどね(笑)、これもやっぱりここまでようやったなぁと、これはやっぱりグッと来ますよ。
あとこれは私独特の楽しさだったかもしれませんが、一応娘が普段歌ったりしているので何となくE-girlsの歌は知っているんですね、まぁ何となくですけど。それが実際に聴いて、あぁこれはこういう曲だったのかとか、はいはいこの曲ね、ということでいちいちストンと腑に落ちていく瞬間が幾度かありまして、それはそれで面白かったですね。あと、娘にこの歌のこのサビの時はこのフレーズで合いの手を入れるんだとかいうのをピンポイントで教わったりしていて、それもまぁ恥ずかしながら楽しかったです(笑)。
でやっぱり生で聴くと歌もダンスも上手いなぁと、当たり前ですけど。ほら、ここ数年ダンスって流行ってるじゃないですか。だからテレビやなんかで見る機会はあるんですけど、プロのダンスってのは初めて直に見るわけですからこれはやっぱり凄いなと。途中、ソロのダンスコーナーもあったんですけど、ここは相当カッコよかったですね。
歌も抜群にうまかったです。あとラップをするメンバーもいて、すみません、娘に名前を聞きましたが誰か忘れました(笑)、彼女のラップもバッチリ決まってましたね。少ししかなかったんですけど、ここをもう少し押し広げてもいいんじゃないかと思いました。
でまぁ色々と工夫があってね、Youtube風の動画コーナーがあったり、LINEを模した掛け合いがあったり、ここはお客さんも喜んでいましたね。ただちょっと広告的な、彼女たちの所属する事務所の他のグループ云々のところであったり、メンバーの出演する映画の宣伝だったりというのはちょっとね。折角のE-girlsのライブという全体の流れがちょっと阻害されるかなと。野暮だなと大人の私は思いました。
あとこれは言ってもしょうがないのかもしれませんが、トラックですよね。ここがもう少し何とかならんかったのかなと。歌も踊りも相当なレベルにあると思うんですが、それに引き替え音がやっぱり弱いというか。フル・バンドとは言いませんが、せめてドラムだけでもいたらなと。あとホーン・セクションが何人かいるだけでダイナミズムが相当出ると思うんですけど、そう簡単な話ではないのですかね。
というのもやっぱり彼女たちのパフォーマンスが素晴らしかったんですね、他の部分にもう少し力を入れたらエンターテイメントとしてのレベルが更にグッと上がったんじゃないかなと思うんです。なんかこれだけの素材があるのに勿体ないなと思いました。
勿体ないというと解散もね、私はその辺の事情を全く知りませんが、これだけの実力があるのに解散なんてなんか勿体ないなぁって、ただの通りすがりの人間としてそこは素直に思いましたね。
ライブは18時開演で終わったのが21時50分頃でしょうか。最初の30分ほどが若いグループによるオープニング・アクトで、途中動画コーナーもあったり宣伝コーナーもあったりしましたから、実質のライブはそんなにも無かったのかもしれませんが、兎に角で最後まで娘は楽しんでましたし、なんだったらこれだけあっても物足りないくらいに思ってたんじゃないですかね、なにしろ体力が有り余ってますから(笑)。
ただまぁ残念なことに私たちは大阪から来ていますから最終電車の時間が迫っている訳ですよ(笑)。ライブが終わって大勢が一挙に出てきてゾロゾロ歩いていたら帰りの最終特急に乗り遅れてしまう。ということでここは事前に娘と何があっても21時45分になったら会場を出る、という取り決めをしていたんですけどね、娘としちゃそりゃあここにきてのそれは納得いかないですよ(笑)。
とはいえ親として冒険は出来ませんから娘をちゃんと家に帰すべく、だから娘の気が収まるまで険悪な雰囲気になってしまいましたが(笑)、無事に家に帰ることが出来まして、まぁ長い一日でしたけど、娘にとっても私にとっても思い出深い日になりました。
あとですねぇ、お客さんが非常に行儀よかったです。若い子ばっかりだったんですけど、妙にはしゃいでる子やいちびっているような子は全然いませんでした。これは前から思っていたことなんですけど、今の子ってちゃんと教育を受けてるし、色んなことを理解していて、我々の世代とは比べものにならないぐらいちゃんとしてるんです。今やもう圧倒的に年寄りの方がマナー悪いですから。その事も改めて知る機会になりましたね。
最後に新型コロナウイルスの件。2月26日の政府の発表で人が大勢集めるイベントの中止要請が出ました。これ、1週間早く出ていたらE-girlsのライブへ行けなかったわけです。ここは日本政府の対応のノロさに感謝するしかないですが、まぁあの日会場にいたことによって感染した人がいたとすれば、我々も含めてですけどね、感謝とか言ってられないですが、その日を楽しみにして26日以降のイベントに参加出来ない人たちが沢山いるわけですから、とりあえず私たちとしては今は幸運だったということですね。
あと主催者に苦言を呈すとですね、やっぱりチケット代ですね。1万円越えというのはお客さんが10代20代の子中心ということを考えるとこれはちょっとね、もう少し何とかならないのかなと。あと娘に解散ツアーの詳細を教えてもらったんですけどこれが大都市中心なんですよ。解散コンサートですから地方の子も参加できるようにね、もうちょっときめ細かく回ってあげられないものかなと。それが無理なら開演時間を早めるとかね。一人で帰る女の子もちらほらいましたから、一時間早めるだけで随分と違うのになとは思いました。