Bible Belt/Diane Birch 感想レビュー

洋楽レビュー:

Bible Belt』(2009)Diane Birch
(バイブル・ベルト/ダイアン・バーチ)

 

私は誰にも属さない。そんな自立心が垣間見えるアルバム・ジャケットが印象的だ。歳を重ねればやはり内面が出てくるものだ。ダイアン・バーチの場合はその若さもあって意志の強さが表情に表れている。Wikipediaで調べると2009年当時、彼女は26才。真っ直ぐ見据えるポートレートさながらの意思の強そうな声の記名性は抜群だ。

彼女の魅力はやはりその歌唱力。野太く個性的なボーカルはもしかしたら好き嫌いが分かれるかもしれないが、それさえ凌駕する歌唱力。中でもファルセットが素晴らしく、地声との境目が分からない程ナチュラルで伸びやか。ソフトなんだけど力強くて心地よい。彼女の最大の魅力だろう。ソングライティングも彼女の手によるもので、こちらも落ち着いた素晴らしいメロディを紡いでいる。ピアノの腕も相当なもので、こんな才能が26才まで世に表れなかったが不思議なくらいだ。

そして彼女をサポートするニューオーリンズやN.Yの凄腕ミュージシャン達の極上の演奏がなんとも素晴らしい。出過ぎず、かといって物足りないという訳ではなく、ちょうど良い塩梅。ギターといい、オルガンといい、ホーンといい、要所要所で鳴らされるちょっとしたフレーズが琴線触れまくりだ。彼女の歌を最高に引き立てている。#4 『Nothing but a miracle』の出だし。ダイアン・バーチによるフェンダー・ローズ(※フェンダー社製の電子ピアノのこと。僕はこの音色が大好きなのです)で静かに始まり、コーラス、そしてフリューゲル・ホルンが重なるイントロは言葉にならない美しさ。魔法の粉が降りかかったかのようで、気を失いそうになる。

世代を越えてジャンルを越えて親しまれる音楽というのがある。ラップしか聴かない人、J-POPしか聴かない人、そんな人にも受け入れられる音楽というものがあるとすれば、このアルバムもそんなアルバムではないだろうか。

ところでこのアルバムが出た当時、 YouTubeで『Daryl’s House』(ダリル・ホール&ジョン・オーツ のダリル・ホールが自宅にミュージシャンを迎え、自身のバンドと一緒に演奏をする番組)で歌うダイアン・バーチを何度も何度も見た記憶がある。彼女の映像は他にも色々見たが、僕の中では『Daryl’s House』がベスト。中でもアレサ・フランクリンの『Day Dreaming』のカバーはすんごいことになってます。

 

1. ファイヤ・エスケイプ
2. ヴァレンティノ
3. フールズ
4. ナッシング・バット・ア・ミラクル
5. リワインド
6. ライズ・アップ
7. フォトグラフ
8. ドント・ウェイト・アップ
9. ミラー・ミラー
10. アリエル
11. チュー・チュー
12. フィーギヴネス
13. マジック・ビュー

(日本盤ボーナス・トラック)
14. エヴリー・ナウ・アンド・アゲイン
15. チープ・アス・ラヴ

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