Night Buzz/高田みち子 感想レビュー

邦楽レビュー:

『Night buzz』(2004) 高田みち子

今ちょうど季節は雨。梅雨の季節である。僕が高田みち子さんを知ったのはかれこれ5年以上も前のこと。ちょうどラジオで梅雨の日特集をやっていたのがきっかけだった。僕は一瞬で虜になった。アルバムを探したけど、あったのは4,000円も5,000円もする中古品。もう新品は何処にも無かったんだな。高いのを買うのは癪だから、時々ネットをチェックをしてたんだけど、ようやくお手軽価格を発見。といっても定価よりは若干高めだった。でも新品がもう無い以上ここを逃す手はないと迷わず購入。その時はもう次の年の梅雨の季節になっていた。

僕がこの時ラジオで聴いたのは『雨は優しく』という曲。静かなバラードだ。サビで「雨、雨、雨、、、」とただ繰り返すだけのこの曲がとにかく素晴らしくて胸にじーんと来た。それこそ雨の情景が浮かんで、僕が浮かんだのは部屋の中から見える雨の景色で、外は暗くて粒が見えるくらいに降っている。こういうのを叙情詩というのかな。恋の終わりの歌だからエモーショナルな歌詞なのに、湿っぽくなくてただ淡々と「雨、雨、雨、、、」。雨のクセに湿っぽくならない、というかなれないという感じがまた切なくて。僕はこの時以来、6月になると毎年聴いている。

情景が浮かぶもう一つの要因はサウンドだ。演奏がホントに素晴らしい。バンドのメンバーはかつて山下達郎や坂本龍一らを輩出したという「What is Hip」なるユニットだそうで、折角だからここで名前を挙げておくと、松木恒秀(guitar)、岡沢章(bass)、野力奏一(piano, organ, keyboards)、渡嘉敷祐一(drums, perc)という面々。高田みち子とは何度か一緒に組んでアルバムを作っているようだ。

とにかくいいバンドで、『雨は優しく』では雨の音など一つも入ってないのにホントに雨が降っているような気がしてくるし、『カナリヤ』ではカナリヤが飛び去っていくのが見える。『僕らの樹』ではちゃんと目の前に大きな樹がそびえ立つんだな。歌に静かに寄り添っていて、ホントに素晴らしい演奏だ。

あとこれは僕の好みだけど声がいい。こういうちょっと低くて鼻にかかった声、ほんと大好きだ。『僕らの樹』で聴こえる伸び上がるパートは至福の瞬間です。あ、僕の好みなどどーでもいいか(笑)。とにかく、明瞭で知的、表現豊かで素晴らしいボーカリストだと思います。

新品は無いけど、ダウンロード版はあるみたいで、しかもハイレゾ版もあるそう。ホントいい時代になったもんだ。

 

1. 51st Street, Lexington Avenue
2. chocolate
3. 雨は優しく
4. カナリア
5. Night buzz
6 Don’t Say A Word
7. 春を待ってる
8. Your God
9. 夕暮れと嘘
10. The Tracks Of My Tears
11. 僕らの樹

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