ポエトリー:
『好きこそものの上手なれ』
好きこそものの上手なれって言うけれど
好きでも上手くなれないもんさ
そりゃあんた
好きがまだまだ足りないんだよと
人に言われるわけでなく
どこかの自分が言うもんだから
どうすりゃいいかはお察しで
もっと好きになるより他はなし
だったらもっと好きになるよ
今よりもっと
2017年7月
ポエトリー:
『好きこそものの上手なれ』
好きこそものの上手なれって言うけれど
好きでも上手くなれないもんさ
そりゃあんた
好きがまだまだ足りないんだよと
人に言われるわけでなく
どこかの自分が言うもんだから
どうすりゃいいかはお察しで
もっと好きになるより他はなし
だったらもっと好きになるよ
今よりもっと
2017年7月
ポエトリー:
『朝が来るまで』
あぁ、おやすみ
シーツにくるまり
世界は嘘で塗り固められてる
未来は雲に覆われてる
小鳥の歌が聞こえない
声が枯れるのは理屈じゃない
だから
おやすみ
今はただ
おやすみ
あぁ、おやすみ
シーツにうずくまり
こだまが帰るとは限らない
机の上じゃ測れない
癒えない傘が壊れてる
星が見えるのは理屈じゃない
だから
おやすみ
今はただ
おやすみ
朝が来るまで
側で見てるから
ずっと静かな
ベッドのある部屋へ行こう
ただ
おやすみ
今はただ
おやすみ
おやすみ
今はただ
おやすみ
2014年2月
ポエトリー:
『さよならは転じる』
君がまだ若かった頃
虹が架かっていた
海は凪いでいた
耳を澄ましていた
外連味ない瞳のブルーと
背伸びをした君との不釣り合い
ある日不意に夕暮れが訪れた
その夜 君を色濃く浮かび上がらせた悲しみは
ビロードの襞となりまとわりついた
ずっと側にいてほしかったと離さなかった
しかしそれは血となり肉となり君の内に根付く
君はまだ知らないだろうが
さよならは
さよならは
すべて転じる
まだ見ぬ君の美に
2014年4月
ポエトリー:
『道』
君は何度も何度も何度も何度も何度も…
空を仰いで
鳥のように雲のように旅人のように
答えを聞いた
君は何度も何度も何度も何度も何度も…
世界をぬって
風のように糸のように歴史のように
道を探した
懐中電灯を片手に
照らした 足元だけじゃなく
時折
誰かの落し物を 見つけた
君は何度も何度も何度も何度も何度も…
踵を蹴って
ツグミのようにシャボンのように干草のように
河を渡った
君は何度も何度も何度も何度も何度も…
恋人を呼んで
二人はいつしか波のようにさざ波のように
小さく暮らした
出来るだけ穏やかに
暮らしてゆきたいと
人知れず静かに
愛し愛されてゆきたいと
二人は何度も何度も何度も何度も何度も…
世界を越えて
虹のように星のように月のように
大地を巡った
二人は何度も何度も何度も何度も何度も…
星をまたいで
父のように母のように祖母のように祖父のように
時を重ねた
君は何度も何度も何度も何度も何度も…
答えを聞いた
世界は何処から来て
あなたは何の為に
君は何度も何度も何度も…
あなたは何処から来て
私は何の為に
君は何度も何度も…
私は何の為に
2017年7月
ポエトリー:
『魚屋』
近未来
過去6時の方向で
死んだ魚が泳ぐヒレ
垂直に落ちる汗共々
光を遮るため地下に潜る
ハイウェイを過ぎて真夜中のトンネル
窮屈に揺れます
初めてのウェイクボード
頭並べて仲良く
発泡スチロールの中
なだらかな肩に
砕いた氷の上で落ち着いて
ようやくのんびり過ごします
でも死んでます
真夏の魚屋の軒先で
そのうち誰かの家へ売られます
2017年7月
ポエトリー:
『サイダー』
ちょうど6時半
彼女は唇を噛んでいる
同じ時間
太陽はお家に帰る
サイダーの口は開いた
ポエトリー:
『小話』
君の小話
今日は何故か小走り
君のご機嫌
妙なご加減
斜めになって一休み
いくつになっても変わらない
2015年7月
ポエトリー:
『あの人ことを知りたければ』
韓国人の事を知りたければ
韓国人の詩を読めばいい
アメリカ人の事を知りたければ
アメリカ人の詩を読めばいい
中国人の事を知りたければ
中国人の詩を読めばいい
ただそれだけのこと
気まぐれや気取りは詩になっても
嘘は詩にならないから
だから君も
誰か気になる人がいれば
その人の詩に耳を傾けてみて
きっとどこかに顔を出しているから
もちろん君の詩も公開しなくちゃね
2015年1月
ポエトリー:
『オレトレース』
胸に三センチ 奥の弾丸抜き出す
駆け出す 勾配ものともせず
矢のように 駆け抜ける
かつて老人たちが見た夢 いた景色
遠のいてフラッシュバック
高速コーナー 斜めに入って
落ち着いた態度で索引
目を引くような娘 目の前の群れ
弾丸目で追いかけ しかしすぐに息粗く
頭の中渦巻く 何もかも一緒くた
最終コーナー先んじて 一歩先行く
君は抜け出た弾丸
弾丸はかろうじて 数歩詰め寄る
運命の糸 足絡ませ
手繰り寄せ タグを付け
胸の奥三センチの弾丸
今日も抜き出す
2017年7月
ポエトリー:
『いい言葉を聞きたい』
いい言葉を聞きたい
出来れば琥珀に乗せて
夕方、
うつらうつらの調べに乗せて
もしくは君の声
喉の奥、
3センチに詰まった君の声
あるいは旅に出て、
リラックス
2泊3日で帰ってきた声
穏やかな午後
いい言葉を聞きたい
いっそのこと
君の声を借りたい
2017年7月