Author: よんきー
『SWITCHインタビュー達人たち~みうらじゅん×樋口真嗣』を見て思ったこと
無数の冷たい雨
ポエトリー:
「無数の冷たい雨」
無数の冷たい雨が頬にへぱりつく
無数の光を乱反射させるために
わたしはそれを祝福とみた
近い将来、あなたが報われるための
つまりわたしが報われるための
とはいえ、
無数の冷たい雨は祝福されない
オレだってやなんだよ
うるさいんだよ
降らせよ降らせよって
今、
一刻も早く立ち去るのを待っている
無数の冷たい雨。
なんてちょっとヒドイ言い方
時間で言うと午後の6時ぐらい、
喉元を過ぎたあたり
一方は口を開け
一方は蓋をして
驟雨
生き死にを漂わせる匂い
無数の冷たい雨が頬にへぱりつく
無数の光を乱反射させるために
近い将来、あなたが報われるための
つまりわたしが残されるための
2021年7月
Teatro D’Ira Vol. I / Maneskin 感想レビュー
鳴り続けん
ポエトリー:
「鳴り続けん」
自戒や
自壊を含め
通りすぎたこと
ほぼ慰め
目障りな
あの人の面影
かつて流した
雨の日の体温
どこをどう打って
いたのやら
今や手のひらに
帰りぬと
その日と
その人の
粘り気は
雨の日の湿度
間近に迫った
夏の日のお囃子
いくどもいくども
時計は回りぬ
形は崩れつ
はらわたで
鳴り続けん
はばたいて
鳴り続けん
2021年7月
流れり
ポエトリー:
「流れり」
薄いピンクの君の頬を柔くかき混ぜてみた
浅い眠りについた朝ならほら
まだそこにあるさ
まごついた手
でシーツを鷲掴みす
みたいに形なす花弁は
次第に痩せ細り
指先に流れり
太陽からの眺めもまた
まごついたまま
己が手でひと掴みする隙間などなく
時はよしなに流れり
listening…
淀みなく
listening…
時間が来たよ
薄いピンクの君の頬を
コップ一杯の水に汲んで
静かな朝の
時計は流れり
2021年6月
日曜美術館『ホリ・ヒロシ 人形風姿火伝』感想
新しい果実 / グレイプバイン 感想レビュー
二十億光年の孤独 / 谷川俊太郎
人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする
火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或いは ネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う
宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした