ポエトリー:
『彼女は最低』
ひどい女が
オレの残り福を巻き上げる
ひどい女
がオレのまごころを消費する
彼女はいつも一足跳びで
オレの返事も待ちやしない
切符を買うのも待ちやしない
例えば
あらすじなんかはすっ飛ばして
エンドロール
すら聞かないで席を立つ
例えば
丁寧にしつらえた物語
ひとつ、ふたつ、みっつ
強引に読み解く
インド、日本、サンパウロ
辺りをうろつく視線に合わせ
1ページ、2ページ、3ページ
破って読んだでハイお終い
オレは知らない駅で待ちぼうけ
それは正しいか
か来た道戻るか
映写機の音はカタカタとして遥かな記憶を辿る
旅、共に回転し
道端の石コロにも目星付けたところ
彼女はいつも勝利する
薄い羽で舞い
象の鼻で笑い
ヒョウのように快速
オレはダビデなまま
歪なポーズで突っ立っている
ぶっ壊したい
彼女は最低
早く自由になりたい
2017年11月