アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO 感想

アート・シーン:
 
『アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO』in 京セラ美術館
 
 
京都市京セラ美術館で開催されている、『アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO』へ行ってきた。僕はいわゆるポップ・アートと呼ばれるものに疎い。子供の時からそれなりに絵は得意だったが、デザイン的なものになるとからきし弱い。ま、要するにセンスが無い。そんな僕でもアンディ・ウォーホルの面白さは分かる。そういうポップ・アートに疎い連中にもタッチできるのがアンディ・ウォーホルということなのだろう。ちなみに最近はウォーホールではなくウォーホルと言うみたい。
 
展示物は秋に行った岡本太郎展と比べると圧倒的に少ない。しかも原画というものが存在しない。彼の作品のほとんどがシルクスクリーンで印刷されたものだからだ。それでも圧倒的に楽しい。なんなんだこのお気軽な楽しさは。作家の魂とか作家の生き様なんてのはここにはない。あの作品はどうだとかこの作品はどうだとかウンチクを述べたところで手応えはなく、まるでプラスチック製の容器に手を触れるような感覚。それこそが工業デザインということになるのだろう。平熱で面白がって平熱で会場を後にする楽しさが心地よい。
 
真の意味のオリジナリティなど存在しない。我々は何かしらの影響や先人の遺産をいじりまくることで別のものを生み出していく。何十年も前からそういうもんじゃんと堂々とやってのけたウォーホルはやっぱり天才。京都滞在中に描き残したと言われる、幾つかの模写を見ていると、何も無いところから何かを生み出すということではなく、そこに在るものから何かを生み出す人なんだなと改めて思った次第。いくら面倒くさいことを言おうとも、我々はそこに在るものを足して引く。それでいいのだろう。
 
ちなみに大リニューアルされた京都市美術館改め、京都市京セラ美術館へ初めて行きました。なんてことない入口から階段を昇ると大ホールの吹き抜けがあり、その向こうに東山の景色が覗く。思わず感嘆の声が出ました(笑)。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)