落語番組の決定版!Eテレ「落語ディーパー」が面白い

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落語番組の決定版!Eテレ「落語ディーパー」が面白い

 

月曜の23時からEテレで放送されている「落語ディーパー~東出・一之輔の噺(はなし)のはなし~」がすごく面白い。近年落語ブームということで「落語ザ・ムービー」のような落語に関する番組があったけど、これはその決定版という感じ。落語に興味はあるけど余り馴染みがない人にとっては持って来いの番組だ。

まずその日の放送回でフィーチャーされる噺があって、あらすじが紹介されます。そしてその噺にまつわる背景なんかが語られて、この語られてっていうのが堅苦しくなく、出ている出演者が若い落語家ばかりで我々と同じ目線で語ってくれる。ていうか若いから当たり前のように同じ目線になってしまう。例えばあんな噺は堅苦しくて嫌だとかそういう類の話がポンポン出てくる。落語といやぁお年寄りというイメージで、僕が密かに毎週録画している「日本の話芸」(同じくEテレ、土曜の午後にやってます)だって、出てくる演者は超ベテランばかりだし、やっぱ若い演者が今の感覚で喋るってのは大きいと思います。

この番組のいいところがもう一つあって、それはその回の噺を過去の名人が演じているVTRが流れるところ。しかも一人だけじゃなく対照的な二人の名人の映像を流してくれたりする。例えば9/10放送回だとテーマは「鼠穴」。昭和の大名人三遊亭圓生と僕らでも知ってるあの立川談志の映像が流れる。圓生の方は江戸ッ子のパリッとした語り口で談志はご存じのとおり破天荒な濃ゆ~い語り口。「鼠穴」は困窮した弟に3文しか貸さない吝嗇な兄が出てくるんだけど、圓生だと江戸っ子だからキャラとしては50両でも100両でも貸しそうだと。一方の談志は本当に貸しなさそう(笑)。で貸さないのには理由があるんだけど、談志だとその理由も敢えて言わずに憎んでくれて結構っていう背景が普通に成立してしまう(笑)。だからどっちがいいとかではなく、私はこっちが好みですみたいなトークがあって、この辺は観ていてとても面白かったですね。あと余談ですが、前述の「日本の話芸」で以前桂福團治による「鼠穴」があって、なんでも上方落語の「鼠穴」は珍しいそうですが、凄く生活感があって、妙なリアリティーというか迫力がありました。

あともう一ついいところ。番組にはホームページがあってそこで落語の動画が公開されている。第1回(8/30放送)は桂米團治の「地獄八景亡者戯」(この回の上方落語と江戸落語の違いのトークも面白かったです)。第2回(9/3放送)は番組出演者でもある柳亭小痴楽の「明烏」。第3回(9/10放送)は先ほど話した「鼠穴」でこちらも出演者である春風亭一之輔。いつでもどこでも気軽に観れるのでホントお勧めです(※但し、公開期間があるので注意)。

出演者は春風亭一之輔、柳家わさび、柳亭小痴楽、立川吉笑、俳優の東出昌大、雨宮萌果アナウンサー。一之輔を筆頭に皆さんキャラが立ってます。あと俳優の東出さんの知識とか落語愛がすんごくてびっくりします。番組H.Pによるとこのあと、「粗忽長屋」 9/17(月)、「居残り佐平次」 9/24(月)と続くようなので、今からとても楽しみです。

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