国宝展 Ⅳ期 京都国立博物館 感想

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国宝展 Ⅳ期 京都国立博物館 感想

 

京都国立博物館で行われている特別展覧会『国宝』へ行きました。10月3日~11月26日の間、Ⅰ期~Ⅳ期と展示内容を一部入れ替えながら行われています。私が訪れたのはⅣ期。有名どころで言うと「伝源頼朝像」や「燕子花図屏風」などがあります。

京都国立博物館前に着いたのは10時半頃でしたが、平日ということでチケットを並んで買うこともなく、すんなりと建物へ。館内ロビーで2、30分ほど並びましたが、スムーズに入場することができました。

1階は仏像などの巨大な造形物の展示。暗闇に浮かぶ巨大な像。いきなり迫力があります。漆黒に浮かぶ大日如来坐像はなかなかのも。普段は大阪の金剛寺に所蔵されているとのこと。今度は金剛寺で見てみたいと思いました。

テレビの国宝展紹介番組で見た「油滴天目」(陶磁器)。光を当てると器の内側が星空のように光るということでしたが、展示中は上部からのライトで常時輝いています。ふむふむ。

2階には絵画や書物などが展示されており、ここに「伝源頼朝像」がありました。意外と大きいことにびっくり。縦横2メートル近くあるぞ。これだけ大きいと単なる肖像画というより作品です。ちょっと認識が改まりました。

この階にはこれも有名な尾形光琳の「燕子花図屏風」もありました。これもでかい!意外とざっくりとした筆使い。ずっーと考えて、ヨシッ、って一気にグワッグワッて描いていく。なんか絵師のそういう姿が思い起こされました。

3階には私が一番見たかった縄文式土器(これも教科書に載っている有名なやつ「深鉢型土器」)と土偶があります。どっちも素晴らしかった。土器は上部に鶏のトサカのような造形を施しているのだが、これがちゃんと4面とも対象に形作られていて、しかもその内側が今で言う樹脂成形品の内側のような整然とした線の並びで、こういうのを見ていると、あぁ今も昔も人の美的感覚というのは同じなんだなぁなどと、縄文人に親近感が沸いてきました。

土偶もよかった。お尻がプリッとした「縄文のビーナス」と呼ばれている土偶もテレビで見たときはなんじゃこりゃって感じだったが、実際に見てみるとかわいい。ユーモアがあってなかなか面白いです。

絵図や書物や刀剣、織物に蒔絵や調度品などなど、ホント多種多様な展示がされていたのだけど、個人的には結局小さい土偶が一番よかった。私はやっぱ仏像とかこういった造形物が好きなんだと再確認しました(笑)。他にもホントにいろんなジャンルの国宝が展示されているので、見る人それぞれの好みでいかようにも楽しめるオールマイティな展覧会ではないでしょうか。

雪舟の作品も今回の目玉だったのだが、展示はもう終わってたみたいでちょっと残念。私は日程の都合もあってⅣ期を訪れることになったのだが、それでも十分見れたので満足。ただ平日でしたがどのフロアも結構な人だかりで結構疲れます。これに外で並んで中で並んでが加わるとかなり大変かも。なかなか難しいけどやっぱ平日がお薦めです。

しかし寒かった。先日奈良に行った時はポカポカ陽気で最高だったけど、この日は曇りがちで風も吹いてちょっと大変。私は20代をずっと京都で過ごしましたが、なんかその頃の空気の感じを思い出しました。

ちなみに。
京都国立博物館の向かいには三十三間堂があります。京都に住んでいた頃に2度ほど来たことがあるけど久しぶりに入りました。やっぱいい。1001体の仏像は圧巻です。奈良の興福寺で八部衆を見て、ほうほうなんて思っていたけどここは二十八部衆像(笑)。運慶一派の組織立った大量生産(なんて言うと怒られるかな)な仕事ぶりも詳しく見ていくときっと面白いんだろうな。

 

2017年11月

One thought on “国宝展 Ⅳ期 京都国立博物館 感想”

  1. 国宝展行ったんですね。
    私は、金印と頼朝目当てで行きました。
    第三期、日曜日やったので結構な人出でした。
    2センチ四方の金印がこんなにたくさんの人を。
    紙の無い時代の印の使われ方など勉強になりました。

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