サマーソニック2017 in 大阪 2日目 感想

サマーソニック2017 in 大阪 2日目 感想    2017年8月20日

いや~、今年も暑かった。少し前の週間予報では曇りがちだったので雨の心配をしていたのだが、蓋を開けてみると何のことはない、去年同様の猛暑。ちょっとぐらいは曇って欲しいななどと勝手なことを思いつつも、そんな都合よくはいくわけがなく、暑さ対策を万全にして、今年も行ってまいりましたサマーソニック大阪。今年はなんとリアム・ギャラガーの登場だ。しかもフェニックスが来るともなれば参加しないわけにはいかない。ということでサマソニ2017、たっぷり汗を流した1日の最後にまたしても1日分の汗をかくというちょっとびっくりの体験もありつつの大阪2日目の感想です。ちょっと長いですが、お付き合いのほど。

10時過ぎに会場着。ユニバーサルシティ駅からだと、ちょうどいいとこにバスが着く。会場のほぼ真ん中。これはいい。けど、コスモスクエア駅からのバスに乗った友人に聞くとそっちのバス着場はだいぶ遠かったらしい。ラッキー。ぶらぶらして、マウンテン・ステージへ行き、11時からのサンドラ・カルマをアリーナで見る。若いね。みんなロン毛でまだ学生さんみたいな雰囲気。動きもぎこちなくって初々しいパフォーマンス。シャイで遠慮がちな連中やね。肝心の音楽の方もまだまだこれからって感じかな。演奏時間は30分ぐらいだったか。続いて同じマウンテン、今度はスタンド席でハイ・タイドを見る。こちらは打って変わって元気なロック・キッズ。パフォーマンスも板についていてなかなかのもん。シャウトも決まってる。僕の好みはこっちかな。こちらもおよそ30分程のステージだった。

サンドラ・カルマもハイ・タイドもUK出身。今時珍しいオーソドックスなギター・バンドだ。2017年にもなっていまだにキッズがギターに手を伸ばすというところがやっぱUK。なんつってもロック・バンドの本場だもんな。それにしても暑い。この時点で12時過ぎだったか。スタンド席のシートが熱くってしょうがない。わたしはタオルを敷いて座りました。タンクトップでもたれてる連中や短パンで足をシートに乗っけてる連中が信じられねぇ!あんたらどんな皮膚してんだ!? で、この後ちょっと腹ごしらえ。ホワイト・マッシヴの後ろの売店でカツカレーを購入。日陰へ移動しのんびりと昼食タイム。ところでホワイト・マッシヴ。ここは邦楽勢メインのステージだけど、頭上のテントが程よい影となってなかなか良さげ。後ろの方では芝生にのんびり座っている人もちらほら見える。今回はスルーしちゃったけど、来年はどっかで目星を付けてもいいかもね。ゆっくり食べた後は、ゲスの極み乙女を見るために再びマウンテンへ向かいました。

結構早めに行ったのだが、すでに沢山の人が詰めかけていた。最終的には満員に近い状態になったんじゃないかな。なかには興味本位という人もいただろうけど、多分、純粋に彼らの音楽を楽しみたいという人がほとんどだったんじゃないかな。もうそれくらいのバンドになったんだと思う。その期待に違わぬ見事なステージ。やっぱみんな上手いね。知ってる曲は少ししか無かったけど、十分楽しめた。バンドとしての塊がドッと来る感じというか、もう確固たるスタンスが出来上がっている感じ。やっぱ大したバンドだなと再確認しました。

ゲスの極みの後は、涼む意味もあり、クーラーの効いた室内のソニック・ステージへ移動。しかしこれが大誤算。みんなも同じように考えていたのか人、人、人のごった煮状態。去年も同じような時間帯にここへ涼みに来たけどこれ程ではなかった。なんでだ?今年の方が暑いのか?やっとこさスタンド席へ入れたと思いきや空席ねー。てことでアリーナへ。ようやく後ろのちょっとしたスペースにちょこんと座り込む、のも束の間、すぐに「立ってください」と会場スタッフの声が。えー、立ってなあかんのー、ってブーブー言いつつも素知らぬ顔で座っていたのだが、流石に音楽が流れるとついつい勢いで立ってしまいました。電気グルーヴの登場だ!

しかし電気グルーブ、やるね~、長いね~、しんどいね~。僕みたいに名前しか知らないけど何か凄そおってことでついつい引き寄せられたミーハーなド素人に、電子音がループ、ループ。想像力がスパークしっちゃってる映像と共にめくるめく電気グルーヴの世界。ごめんなさい、わたしゃついていけません…。そんなわたしらを見透かすように卓球さん、「もうちょっとで終わるからね~」、でちょっと爆笑。でもってご褒美とばかりに皆が知ってる『N.O.』の大サービス。ここは楽しかった(笑)。はい、わたくし思う壺でございます。でもなかなか終わらんぞ~。卓球さん、もうちょっとって言ったや~ん。

電気グルーヴの後はきゃりーぱみゅぱみゅ。普通にかわいい。聴いたことがある曲があるのはやっぱ楽しいね。うちの子に見せよーってことで思わずスマホをかざしてしまいました。しかしぱみゅぱみゅさん、なかなかのパフォーマンス。若いのに場馴れしているというか、流石に海外公演をしているだけのことはある。ちょっと見直しました。今回はサマソニ仕様ということで途中、中田ヤスタカが登場。で、ヤスタカ氏のDJタイム。爆音のダンス・フロアと化しました。わたしにはよく分かりませんが、こーゆーのをいわゆるパキパキEDMって言うんでしょうか?なんだかよく分かりません(笑)。ていうか音デカすぎ。アクセント程度ならよかったんだけどなぁ。ぱみゅぱみゅさん目当ての子供たちが何人か目に付いたけど、あの子たち、大丈夫だったかなぁー。一応最後はまたぱみゅぱみゅさんの歌でホッと一息。ということで分かりました。わたしはやはり歌が無いと駄目のようです。ま、電気グル―ヴとぱみゅぱみゅ&ヤスタカの2連チャンもこれはこれでいい体験だったけどね。ただソニック・ステージを出た後もしばらくは耳がおかしかったぞ。

その後はマウンテンへ。途中アルコールの誘惑が…。ここはそこらじゅうで売ってんねんなぁ。この暑さの中で飲みゃあ旨いだろうけど、ガマンガマン。慎重にいかなくては。マウンテンでエレファントカシマシをちょっと覗こうなんて思っていたのだが、ここはちょっと一息。次の大イベント、フェニックスに備えしばし休息を。ところでこのマウンテン・ステージ、去年まであんまり来たことが無かったんだけど、なかなか良い場所。何がいいって通路にゃ日陰がいっぱいあるし、トイレもいっぱいあって、自動販売機もいっぱいあって、ひと休みするにはうってつけ。ちょっとワンクッションおくにはちょうどいい場所ではないでしょうか。ということで、着替えも済ましてリフレッシュ。いざフェニックスだ!

エレカシ終わりを見計らい、アリーナへ。前へ行くつもりがもうすでに結構な人。それでもちゃんと表情が見える場所を確保して待機。そういや2014年のサマソニ。あの時、ソニック・ステージのトリで登場したフェニックスは凄かった。当時からめちゃくちゃ好きで何度もCDを聴いていたけど、生で見るとびっくりするぐらい怒涛のライブ・バンドで、あの時の印象が鮮烈に残っている。なので期待しつつも過剰な期待を抑えつつ、あの時ほどではないだろうと出来るだけ平静を務め、一方でドキドキは抑えきれないという、とっても不思議な気持ちで待っておりました。ステージ上ではセッティングに時間を要している模様、恐らくライティングかな、何度も入念な準備。もうちょっと掛かるのかなぁと思っているとフェニックスの面々、急に登場してきました。おーっ、トーマだ!YOUTUBEで観た不思議な柄シャツを着ているぞっ!

てことで始まりましたフェニックス。1曲目は『J-Boy』。新しいアルバムのオープニング・ナンバーだ。続いてドンタッ、ドンタッ、で始まるイントロは『Lasso』。出た!いきなり好きなやつやー。続けて『Entertainment』、『Lisztomania』と怒涛のポップ・ナンバーにもう顔がほころびっぱなし。『Lisztomania』ではテキトーな英語で合唱しちゃいました。ステージのメンバーも笑顔で楽しそう。やっぱフェニックスは間違いないね!新しいアルバムからの曲も幾つか聴けて、僕の好きな『Fior di Latte』も聴けた。この曲を一緒に歌う多幸感といったらもうたまらんっ。ラスト近くに鉄板の『1901』もあって、こちらの期待を裏切らない見事な構成。こりゃ盛り上がらんわけないでしょう。ライティングも凝ってて、PHOENIXの文字が虹色に電飾されて、新しいアルバムのイメージそのまま、流石の演出だ。最後は例の柄シャツをマイク・スタンドに掛けて終わったと思いきや『Ti Amo』のリプライズ。ここでトーマはアリーナに下りてきた。僕は何とかそっちへ行こうとしたけど、残念、あともう少しで届かなかった。もうスゴイね。サービス精神に溢れている。せっかくなんだし、みんな楽しもうよ、っていう陽気なエネルギー。今回もやっぱすげー楽しかった!彼らのアルバムはどれも丁寧で凝った作り、イメージとしちゃクールなオシャレバンドなんだけど、いざライヴになるとイケイケのギター・バンドに豹変する。このギャップもまた魅力だ。もう一度言わせて下さい、、、フェニックスのライヴは最高っ!この多幸感は格別だぁ!僕は調子に乗って、「ティ・アーモ!」だの、「メルシー・ボク!」だの叫んじゃいました。

あー、次のアルバムはまた3~4年後だろうなぁ。そん時にまた来てくんないかなぁ。その前に単独で来ないかなぁ~、などと思いながら大満足で次へ備えトイレでも行こうかと思ったんだけど、あれ、誰も動かないぞ?ていうか逆にちょっとずつ後ろから人のプレッシャーが。えっ?もしかしてもうみんなリアム待ちぃ!?

そうです、最後はこの日の大イベント、リアム・ギャラガーです。しかしまあ皆始まる前から凄いね。まだ30分以上も前だというのに人の圧力がスゴイ…。ちょっとこの状態で30分以上も待つの?だけどこうなりゃオレもここから動けねえって感じ(笑) ビール飲んでなくてよかった(笑) 周りを見渡すと若い子が結構いる。こういうのを見ると嬉しくなる。みんなリアムに会うのを楽しみにしている。オアシスが解散してもう何年も経っているけど、やっぱこの人は特別なのだ。近頃のソロ・ワークの充実ぶりからもみんなの期待値は上がっている。今のリアムなら僕たちの期待感に応えてくれそうな気がする。そんな感じだろうか。「リーアム!リーアム!」という声が散発的に上がる。僕は何度も腕時計を見た。

ほぼ時間通り、オアシス後期ライブの定番オープニング・ナンバー、『Fuckin’ In The Bushes』のSEが流れ始めた。情報は入っていたけど、やっぱりやる。オアシス時代も含めた今のリアムのライブをやるんだ。観客のテンションは上がる。そこへバンド・メンバーと共にリアムの登場だ。あのふてぶてしい歩き方のまま、ついに本当にリアム・ギャラガーが僕たちの前に現れた!みんなもう抑えきれない。後ろから物凄い圧力だ。ぐいぐいと前に押される。前後左右なく、僕の意志ではどうしようもない人波の力に巻き込まれていく。ヤバい。押しつぶされそうだ。そこへ忘れようにも忘れられないあのギター・フレーズ。戸惑っていた僕は目が覚めた。よし、歌うぞ!楽しむぞ!僕は右に左に揉みくちゃになりながら、リアムに向かって皆と一緒に大声で歌った。

曲は『Rock ‘n’ Roll Star』、『Morning Glory』と続き、新曲『Wall of Glass』へ。騒ぎは次のこれまた新曲『Greedy Soul』辺りでだいぶ落ち着き、余裕をもって見れるようになってきた。それでも周りと密着してるけどね(笑) そうそう、リアムは今年定番の恰好で上下黒。マウンテン・パーカーにハーフ・パンツ。このくそ暑い日に黒の長袖パーカーって(笑) しかも途中でパーカー被ったりしてました。流石ロックンロール・スターっす。この日は来日して3回目のライヴということで喉の心配をしていたけど、調子はいいみたい。『Slide Away』のサビ頭は原曲のキーだ!すぐに「♫We’ll find a way~」で下がったけどね(笑) それでもオアシス後期の頃に比べりゃ全然いい!デカい声で伸ばすとこはちゃんと伸びてる。僕も一緒に大声で歌ったけど、そう何曲も続かない。息も喉もしんどくなってくる。そりゃ素人だから当たり前だけど、なんだかんだ言ってもやっぱリアムはスゲエやと実感。最近のロラパルーザでのライブでは喉の調子悪くて4曲で帰っちゃったらしいので、途中、袖の方へ引っ込むような感じ歩いていく時にはちょっと焦ったけど、こういうヒヤヒヤさせるところもリアムの持ち味(笑) しかしまあ、40半ばのおっさんが偉そうに歩いてるだけで、絵になるのなんのって。なんなんだこのカッコよさは。昔と違って今は節制してトレーニングに励んでいるそうだが、ステージに立てばそんな生真面目さは一切感じられず、ふてぶてしいロックンロール・スターのまま。ちゃんと歌ってるんだろうけど、これぐらい余裕だぜ、みたいな佇まいは流石です。そういや曲前にいちいち曲名を言うところが面白かった。それとマスカラみたいなのを丁寧に振ってました(笑)

興奮してしまったけど、冷静に見てもこの日のライヴはとても良かった。新曲群も今のリアムのムードが良く分かるもので素直に良かったし、それに応えるように引き締まったシンプルな演奏をするバンドも良かった。勿論、ソロ・ワークは始まったばかりでバンドとしてはまだまだこれからだけど、リ・スタートとしては最高なんじゃないか。これからツアーを重ねて、アルバムを2枚、3枚と続けていく中でよい化学反応が起きていくことに期待したい。そうだな、そりゃ勿論ギャラガー兄弟が揃ったら嬉しいけど、それよりも僕はリアムにいい歌を歌って欲しい。それがリアムによるものなのか、ノエルによるものなのか、また別の人によるものなのか、それは分からないけど、そんなことよりいい歌を歌って欲しい、それだけなのだ。

しかし観客の熱狂は凄かった。僕は割と前の方にいてぐちゃぐちゃになっていたからよく分からなかったが全体的にはどのぐらいの入りだったのだろうか。まあ何にしても世界中どこ行ってもこんぐらい熱狂されるんだから、そりゃリアムもやる気が出るでしょう。そういや去年は確かフジ・ロックにノエルが来たたけど、同じように観客は熱狂してたのかな。ノエルの場合はそこまではしゃがないような気がしないでもないけど、この辺がオアシスをもう一回やりたいリアムとあんまり興味がないノエルと、ファンの対応もそれぞれそんな感じになってしまうようで面白い。とにかくこの日は最後に感動の『Wonder Wall』の大合唱で締め。当初は時間がありゃ、まだやってるソニックを覗こうなんて思っていたけど、そんなことは一切頭によぎることなく、大満足でバス乗り場へ向かいました。気付けば着替えたばっかのシャツは水を被ったみたいに汗でビショビショだ。リアムは見るとか聴くではなく体験するのだ。そんな気持ちで臨んだけど、まさしく体験する、そんな夜になった。

行きもそうだったけど、帰りのバスもすんなり乗れて今回の導線は良かった。今回はメイン・ステージであるオーシャン・ステージへは行かなかったが、ネットを見るとそっち方面への距離もだいぶ楽になったようで、今回のサマソニ大阪は全体的にスムーズだった模様。まあ毎年のように変更があって、そろそろ落ち着こうよって感じだけど、来年は今年のまんまでもいいかもね。そういや年末にはノエルの新譜が出るみたいだし来年はノエルが来てくんないかな。ハイムとかフォスター・ザ・ピープルも見たいぞ!てか来年も大阪でやってください、頼んます!そういやヘッド・ライナーのカルビン・ハリスはどうだったんだろか?

今年も暑かった。やっぱ昼間は温存すべきやね。それとあとから思えばやっぱビール飲まなくてよかった。あの状態でトイレなんか行かれへんもんね。やはり、この年になりゃ辛抱が肝要です、ハイ。ってことで、休むとこは休む、無理はしない、アルコールの誘惑に負けない、という節度を保った大人のサマソニ観覧記でございました(笑)

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