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バター
ポエトリー:
「バター」
まっすぐに溶けだしているバターは
指のすきまを流れ右関節へ
いつかのわたしを呼びおこす
よりよく動くのか
すさまじく伸びちぢみする現代で
身体はそれに呼応する
わたしの意志のあるやなしや
いま言えること
子どものときの
車に乗り降りするときのあの気持ち
ちゃんと心のなかで整理して
忘れていない
お行儀よくおすわりして見事だね
そんなこと言われても
あれはホント、
ただおすわりしていただけなのです。
朝食の溶けだしたバターが白いお皿におちていく
うまく身体になじむまで
もうあと幾らかのときを待ち
いつかのわたしよ、
いいから早くもどっておいで
2022年10月
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優しさがない
ポエトリー:
「優しさがない」
ないの優しさが
と虚しさが頬をつたう
それはいつのことだっけ
幾らで買ったのか
問いかけることもせず
とるに足らない言い訳
ただ足元を見ると
捨てた言葉が掃くほど溢れ
今はまた別の方角から風に吹かれ
無い物ねだりと知りながら
白身の粘り気が苦手で
ちゃんと火を通さないと駄目だった
喉を通るものだけを食べなさい
昔の母みなそう言ったが
今は涙が止まらないんです
休日
ポエトリー:
「休日」
am7:30
あどけない朝の態度がとても優しい
心の隙間に潜んでいるものたちの声が聞こえます
その言葉のひとつやふたつ
耳たぶに貼り付けて今日は過ごしましょう
それで困るくらいなら
今日はおそらく駄目でしょう
朝から真夏日でクラクラになります
暑い日のお化粧は体に堪えます
am8:30
午後からのキャンセル
致し方ない?それとも人格との戦い?
もともと気にしてないって言ってあげるわたしは天才
でも十日も雨が降らないと食べ物が心配
今はただひたすらあなたを患っていて
そうだとしても食べ物は心配
別腹ですから
am10:00
いつかの
耐えきれなかった時間がまた現れる
今度も
自分が嫌になるなら黙っているのがよいでしょう
今度会うときは花束を添えてあなたに届けようと思う
困らない勇気、あなたはまぁまぁあると思う
am11:30
今日はいい感じで午後を迎えられそうです
でも心臓破りの坂は体に悪いから今日はやめておきます
今は簡単に蛇口をひねって喉を潤すぐらいの気持ち
いろいろありますが、
それぐらいの元気はあるようです