ポエトリー:
『おやすみ彼女』
魔法に砕かれて彼女はお休み
真夜中の散歩は月の外周
わざとらしく星の砂を落っことし
少しいい服少し正しい言葉
丁寧に頭を下げてご挨拶
今朝は花びらに沿って散歩した
花粉に触れて白い裾が黄ばんだ
キャンバスの星屑のようになった
純白のドレスを着たら愛の果て
誰も罰なんて与えやしない
何日か経って時間の淵を歩いてみた
何人かも等間隔で歩いていた
時計の針につまずきそうになって手をついたら
時間は回転し元の場所へ辿り着いた
そんな日があって今ここにいる
銀色の宇宙船の窓から
あゝあれはあの日落とした星の砂
少しいい服を着た女の子
拾い上げて少し正しく会釈した
彼女はあの子の景色になった
2017年7月