ポエトリー:
「珍しいもの見るようにジロジロと」
冷たい顔がそばに来たから目覚めるの
新しいことしなくちゃってあおるくせに
珍しいものを見るように
ひとの生態ジロジロと
迂闊に思ったこと言えやしないから
わたしは黙って離れる
いみじくも声の隙間に入り込む空気の層
うさんくさくて聞けやしない
心配そうに
見捨てたりしないって言ったって
わたしは一言も見捨てたりしないでって言ってない
冷たい顔でそばに寄られるぐらいなら
珍しいままでよいのだと
眉間に皺を寄せ
誰も近寄るな
かまうことなかれ
今のわたしは誰もいらない
2023年6月