ポエトリー:
『線』
会いたくなると 凍えるの 吹きだまり 水色の 当てもない交差点 見上げれば ほら みんなが知っている水色 空 それなのに 頑なに こらえる心と体が一致する 夕刻まで待てないと あなたも一緒でしょ 一瞬で 夕闇にうっとりする人 もがき苦しむほど 場違いなはらわた 煮えくり返り おまえのせいだ おまえのせいだ とせっつく 軽く口止めする 輩 柔な瞳につっかえて 今晩のおかずは スーパーに立ち寄る秘密 冗談でいいから コロッケひとつ おまけしてください 真面目に話しかけると スーパーの店員の笑顔を鳴らし それでも雲の形は 変わらない もしくは変われない 水溜まり それを写す鏡 水色の空を見下ろし 派手に歪んだ似姿が ぼんやりと海の彼方へ あなたの方へ 帰りたい 帰りたいのと呟く 私の色は かまわないで足踏み 見上げれば 当てもない交差点 苦手な骨格が現れる 私の線がそこにある
2021年2月