適温

ポエトリー:

「適温」

 

心の糸がもつれている
すべてをスタンダードに戻したい
鍵穴は壊れてしまった
雨音は数え切れない

地道にいきたい
仮にスペースがあっても
もう小躍りしないで
ゆき過ぎる

その事自体に罪はない
しかしそれを無条件で受け入れるなんて
今のぼくには若さが足りない

夕暮れはもたつきながら春の様相
セーターの毛玉をほつきながら
ぼくは適温を探している

 

2025年3月

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