ポエトリー:
「軍隊」
近日中にオレたちは加害者になる
見知らぬ人を連行し海を渡らせる
羽根は優雅な鳶色で
短い距離を一直線に
ガラス戸さえもぶち破る
身体に流れる軍隊が
否応なしに向かわせる
賑やかな階段を踏みしめる
空は穏やかだ
しかし間違いなく黒ずんでいる
背丈は伸びる一方だったのに
今や無理難題を突きつけられ
今日遂にかなしみが
色濃く残る風景を背に
目指したものの当落線を踏み外す
羽根は優雅な鳶色で
道に迷った人々をとっ捕まえては
新大陸へと向かわせる
手続きなしの新大陸へ
2024年3月