アート・シーン:
「みうらじゅん マイ遺品展」 in アサヒビール大山崎山荘美術館
入ってすぐにみうら編集長によるご挨拶文(400字詰め原稿用紙に手書き!!)が展示されておりまして、そこにはプレイしてもらえればという記述がございましたので、物心ついた時から妄想ばかりしておりました私は思う存分脳内プレイを楽しませていただきました。美術館へは年に数回ほど足を運びますが、これだけ笑った展覧会は後にも先にもないと思います。とりあえず入ってすぐの「大西郷の湯飲み」に大笑いしたことはお伝えしておきます。
みうらさんの作品も沢山ございましたが、多くは何十年かかけてみうらさんが収集されてきたもの。つまりこれらにはクリエイターがいたわけです。商品として売るつもりはあるのかというツッコミはツッコミ如来にお任せするとして(如来なんですね。。。)、まぁ作り手としての哲学はあったのでしょう、いやあったはず。そこには企画会議もあったやもしれず、ケンケンガクガクの議論、いや企画会議など経ずにいきなり商品化という強引さ(そこはクリエイターですから)も時にはあったでしょう。思いつきで作るおやじと奥さんの夫婦ゲンカも十分に想像されます。しかしまぁ、日本のご当地クリエイターも捨てたもんじゃないですね。これらはアンクール・ジャパン文化遺産として残すべき、継承されていくべきですね。
みうらさんの作品も素晴らしかったです。スクラップブックですかね、収集した雑誌の切り抜きやパンフなどを基にコラージュしたと思われる作品。ものすごい大量に、壁一面どころかレースのカーテンのようなものにもプリントされておりました。野球好きは打撃ベストテンを眺めているだけでいくらでも酒が飲めると言いますが、私はこれを眺めているだけでいくらでもいけそうです。いやもうほうじ茶で十分いけます。松方弘樹と梅宮辰夫と山城新伍そろい踏みの裸の写真、最高ですね。ところでみうら編集長がまとめられたスクラップブック、一番多いのはエロ関係なんですよね。いやいや、そんな超個人情報など拝見しようとは思いませぬが、つまり今回の展示は氷山の一角ということ。そこに驚いています。
みうらさんが子供の頃に作られたものもいくつか展示されています。何を隠そう私も自作漫画を描いてクラスメート(訂正します、ともだち2、3人に)に見せて喜んでいましたが、ちんけな私とは質量ともに全然比べ物にならないです。みうら少年、才能があふれ出ています。書かれた文章もそのまま拝見することが出来るのですが、文才も子供の頃から秀でていたのですね。今と変わらんやん。子供のみうらさん、大人のみうらさん、双方へリスペクツ!!
順路通り見ていきますと、最後の方にはみうらさんの描かれた絵がこれも壁一面に展示されています。コロナ禍の最中に描かれたということですが、それにしても旺盛な創作意欲!ていうかさっきのコラージュ作品と基本は一緒や~。絵か切り抜きかということですね。でも何気にみうらさんの画力、スゲーっす。しかも創作が止めどない!このテーマだといくらでも描ける(切り貼り)できるんですね。
ちなみに大山崎山荘美術館の地下にはモネとルノワールの絵も展示されておりまして、特にモネは半円上の壁に4枚、かの『睡蓮』が並んでおります。モネと言えば睡蓮シリーズですが、彼は『睡蓮』を100作以上描いたらしいです。自宅に蓮池を作ったりもして、よくもまあ飽きもせずというところですが、そうか、みうらさんも同じじゃないかと。みうらさんの作品も壁一面に並べられていましたが、それはみうらさんからモネおじさんへのリスペクトだったのですね!ここは大山崎山荘美術館が選ばれた理由をひとり合点しておきます。
ところで誰か、みうらさんの作品に登場する人物の登場ランキングをつけてくれないでしょうか?エロ部門はアレなので非開示として、エロ以外の登場人物ランキング。ただこれは生前遺品整理ということになりますから、みうらさんご自身にやってもらうしかないでしょうか。私の予想では第1位はボブ・ディランです。
世の中デジタル化が進んでおりますので、収集ペースは以前より落ちているかもしれませんが(もしくは老いるショック?)、首を長くして「マイ遺品展Ⅱ」を待っておりますので、編集長!またよろしくお頼み申し上げます。