ポエトリー:
「ランデブー」
もしも君が僕より先に死んだなら
冬の空気より
雪の結晶より
透明な君のまごころ
君の灰を
まるで君のままのように柔らかく抱き締める
ランデブー
ナイロビの砂漠に浮かぶゴンドラ
と同じ月に僕らは運ばれる
それまでは
ミケランジェロより不恰好でも
太陽の塔のように胸を張り
サクラダファミリアよりも永遠に君を愛す
秋の夜長みたいに
ゆっくりと時間をかけて
僕たちは年をとる
2012年11月
ポエトリー:
「ランデブー」
もしも君が僕より先に死んだなら
冬の空気より
雪の結晶より
透明な君のまごころ
君の灰を
まるで君のままのように柔らかく抱き締める
ランデブー
ナイロビの砂漠に浮かぶゴンドラ
と同じ月に僕らは運ばれる
それまでは
ミケランジェロより不恰好でも
太陽の塔のように胸を張り
サクラダファミリアよりも永遠に君を愛す
秋の夜長みたいに
ゆっくりと時間をかけて
僕たちは年をとる
2012年11月
ポエトリー:
「10月17日の短い詩」
初めての朗読会の帰り道
電車から見える景色は全てがカーテンで覆われ何も見えない
特に見たいものがあるわけじゃないけれど
2021年10月
ポエトリー:
「待ちぼうけ」
世界一大きなあなたの言葉を重しにして
私は日々を繋いでいます
その重しに絵を描いて落書きをして眺めていると
身近に感じられます
公園で拾いものをして
それは綺麗な丸みをおびた石で
軽く握ったら冷たくて
思わずポケットにしまい込みました
家に帰る間
ポケットの中で手は軽く握られたままで
それはどうしようもなく
ヒナのように優しく包んであげないといけないものでした
家に帰るとそれを靴箱にはのせず
ダイニングテーブルの花瓶の横に置きました
もちろんすすいだりはせず
軽く握ったままを保つように
私たちは朝日を見て目が覚めるけれど
固く閉じたままのヒナをかえすのは難しい
心に閉じた楽園をいつか目にすることが生きることだと
あなたが言った重しのような言葉を
ためらいがちにそっと吐くと
白い息に混じって
絵を描いて落書きをしている私が見えます
そこに置いたのは待ちぼうけの心
軽く握ってなぐさめた
世界一大きなあなたの言葉を重しにして
私は日々を繋いでいます
どうすればもっと身近に感じられるでしょうか
私はあなたに会いたいです
2020年8月
ポエトリー:
「10月10日の短い詩」
わたしたちの詩歌は
うっすらと虹をかけている
足元に難題をたたえて
2021年10月10日
ポエトリー:
「10月7日の短い詩」
昇る街の上
はしゃぐ君の顔
ふたつ上がらない太陽のひとつになる
2021年10月
ポエトリー:
「かつて理解して」
熱い涙は体温だ
森の真ん中に迷い込んだ
かつて人類は東へ向かい
新しい道を歩き始めた
かつて かつて
かつて わかって
かつて かつて
かつて 理解して
空回りでも心は回る
やがてその軸を焼き尽くした
かつて人類は渚へ向かい
仲間とはぐれて暮らし始めた
かつて かつて
かつて わかって
かつて かつて
かつて 理解して
僕のお母さんは朝早くに出かけ
夜遅くに帰ってきた
僕は海原に小舟を浮かべ
釣糸を眺めていた
かつて かつて かつて わかって
かつて かつて かつて 理解して
かつて かつて かつて わかって
かつて かつて かつて 理解して
かつて人類は
空をつかむように
同じ体温の誰かと
手を繋ぎあった
2021年8月