無数の冷たい雨

ポエトリー:

「無数の冷たい雨」

 

無数の冷たい雨が頬にへぱりつく
無数の光を乱反射させるために

わたしはそれを祝福とみた
近い将来、あなたが報われるための
つまりわたしが報われるための

とはいえ、
無数の冷たい雨は祝福されない

 オレだってやなんだよ
 うるさいんだよ
 降らせよ降らせよって

 今、
 一刻も早く立ち去るのを待っている
 無数の冷たい雨。
 なんてちょっとヒドイ言い方

時間で言うと午後の6時ぐらい、
喉元を過ぎたあたり
一方は口を開け
一方は蓋をして
驟雨
生き死にを漂わせる匂い

無数の冷たい雨が頬にへぱりつく
無数の光を乱反射させるために
近い将来、あなたが報われるための
つまりわたしが残されるための

 

2021年7月

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