Eテレ『SWITCHインタビュー 達人たち』2019年6月8日放送 奥田民生×リオ・コーエン 感想

TV program:

Eテレ『SWITCHインタビュー 達人たち』2019年6月8日放送回 奥田民生×リオ・コーエン

2名のゲストが交代してインタビューをし合うEテレ『SWITCHインタビュー 達人たち』。2019年6月8日の放送回では、ミュージシャンの奥田民生とYouTube音楽部門の総責任者リオ・コーエンが対談した。

日本でもそうだが海外では完全にストリーミングが中心。若い子のほとんどはもうCDなんて買わないそうだ。そりゃ月々1000円程度で音楽が聴き放題ならそっちがいいに決まっている。一方、アナログ盤、レコードの売上は右肩上がり。より本格的に音楽を聴きたい連中はレコードを聴くのだという。

リオ・コーエンもCDプレーヤーは持っていないそうだ。じっくり聴くときはアナログ盤。だから来日した時に色々な方がCDをくれるんだけど実は聴けないんだと笑いながら話していた。

番組を観ていて思ったのは、二人とも何も特別なことを言っていないということ。根底に流れるのは音楽とそれを作る人と聴く人双方へのリスペクト。

例えば奥田民生からリオ・コーエンへの質問。「レコード会社は要らないですか?」。リオ・コーエンは言う。「80年代と同じことをするのならレコード会社は要らない」と。

これからの音楽の流通においては。奥田民生は言う。「こちらからは選べないから全て出す」。リオ・コーエンは大きく頷き、CD、レコード、音楽配信。音楽を聴きたいと思う人に、聴き手が望む形でちゃんと聴けるようにするべきだと。

音楽の流通形態がこの10年で大きく変わったように、この先10年ももっと早いスピードで変わり続けるだろう。しかし大事なのは音楽家と聴き手両方に対する敬意。作る側と聴く側にもっとも利益(お金という意味だけではなく)がもたらされるべきだという、ごく当たり前の態度ではないだろうか。

リオ・コーエンはYouTubeの機能について不満があるそうだ。現在のような聴き手の好みに応じていく形ではなく、レコード店に行ったときに目当てのミュージシャンだけでなく他のミュージシャンに目移りをしてしまうような、良い音楽とそれを求めている人との偶然の出会いがあればいい。YouTubeをそんな未知の音楽との出会いの場していきたいと語っていた。

僕はCDを買う派だ。歌詞や対訳を読みたいから。だからストリーミングでも対訳が読めれぱ僕はストリーミングを選ぶかもしれない。ただ今はやっぱりCDを買うことがそのミュージシャンへのサポートになるかもしれないという気持ちが大きいいかな。ストリーミングはどういうシステムだかよく分からないし。

聴き手のわがままを言わせてもらえば、選択肢は沢山あった方がいいけど僕の好きな音楽家の収入が減って、彼らが思うように音楽が作れなくなるのは一番困る。だから結局は音楽の作り手にちゃんと正当な利益が還元される仕組みが絶対に必要。音楽を作らない、音楽を聴かない商売人に音楽配信の世界を牛耳られてはいけないのだ。

僕がこの番組を観て思ったこと。音楽配信の最大手であるYouTubeのトップにリオ・コーエンのような人がいて本当に良かった。日本を代表する音楽家の根本の考えが僕たち聴き手と同じ方向を向いていることを知れて良かった。この番組を観て僕は音楽の未来に対し、明るい気分になりました。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)