ポエトリー:
『雨煙』
こんにちはと言って君の横を過ぎるのを
今日は疲れたから黙って通る
横目に見る
君の長考
君の長い睫毛は放牧され浜茄子の頃湯に溶ける
胃が痛いのは期待感の表れ
罠をかけ君の足首を掴みたい
現在進行形で重ね着をする幾つもの災いを
今年の冬は特に寒いからねと簡単に済ませる横着が
目覚ましく発達する
分かっているならちゃんと前を閉めて
出掛ける時は喉を潤してから行きなさい
白湯で
それでも瞼が凍りついてしばらくは歩けない
あの日渋滞など気にせずに強引に線引きをされた魂が幾つも空を舞った
覚えていないけど
風の強い日の雨の降り始めにも似て
リュックサックのサイドポケットは少し濡れている
2018年1月