ポエトリー:
『コーンスープ』
確かに君の瞼に
降り注ぐ雪
遠い記憶などなく
密かに耳打ち
僅か1デシリットル
先走る感じ
零れ落ちる不思議
君の肩に積もったそのゴミ
勢いよく掃除機で吸い込んだ
君の冷えた指先
程よく電子レンジで温めた
それが真実
歴史は繰り返さず
言葉はただの現実
コーンスープは泡立てず
よくかき混ぜて
新しさに身もだえる
間近に差し迫った
問題にしてひとつ、ふたつ、みっつ
大きな半紙に一面
墨汁にして垂らす
しかし思いのほかデジタル
確かに差し迫った問題あるとして
心当たりあるか先細る感じ
その襟元の汚れは
洗濯機の渦に放り込んで撹拌
その胸元のほつれは
ミシン目が二列になって行進
それが真実
歴史は繰り返さず
言葉はただの現実
高く積み重ねられたものを注視して
今朝もコーンスープ
幾重もかき回す
2017年11月