Walk The Moon/Walk The Moon 感想レビュー

洋楽レビュー:

『Walk The Moon』(2012)Walk The Moon
(ウォーク・ザ・ムーン/ウォーク・ザ・ムーン)

 

しかしまぁ暑いでんな~。天気予報を見る度に、沖縄の方が涼しいやんけ!とクダを巻いてしまう私ですが、まぁ夏ですから暑いのは当たり前っちゃあ当たり前。とは言いつつ今年はちょっと暑すぎますね。熱中症にならないように気を付けたいものです。

てことで夏といえばこの方々、ウォーク・ザ・ムーンでございます。とにかく歯切れがよい!浴衣が似合う!金魚すくいが似合う!(←完全に私のイメージです…)ウォーク・ザ・ムーン音頭でも作ってもらいたいぐらいなもんです。爽やかっていうよりこうなりゃ暑いまま行っちゃえ、てことでイメージとしちゃウルフルズ。トータス松本ばりのシャウトも決まって、夏祭りがすごーく似合うご機嫌なバンドでございます。

一応ギター・バンドってことでいいのかな。シンセも目に付いて、80’S感もあったりしますが、夏ですから細かい事は気にしないでおきましょう。まぁこのバンドはそれぐらい適当でいいのです。ただ侮るなかれ、ただの能天気なバンドではないんですね~。ご機嫌さんなのは表向きで実は水の中で必死に足を掻いているパターン。そうなんです。この辺りもトータスのパーソナリティに似ている気がする実は繊細な方々なのです(多分…)。

その辺はまぁ聴いてりゃ分かりますね。ちゃんと影があるっていうか、だからこそ大声を上げるって訳で、4曲目の『Anna Sun』なんてすごーく切ないじゃないっすか。必殺の彼らを代表する素晴らしい曲ですが、やっぱ影があってこそのアンセムなわけです。ちょっとふざけたようなバンドでも締めるとこはきちっと締める。その辺の緊張と緩和を使い分ける様なんざ往年のキン肉スグルやね。

この4曲目と続く5曲目『Tightrope』の流れは本作の聞きどころ。ちょっぴり切なくなったところで、スターンッと一気にスピードを上げる展開は最高っす。『Tightrope』の1番が終わったところで聴けるシャウトがまたカッコいい~!更にその次の#6『Jenny』は往年のヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのよう。私のようなアラフォ-世代はニヤッとしてしまいますな。うん、やっぱ個人的には#4~#6が山場かな。

サウンド的には、時折印象的なギターがかき鳴らされるものの割りと大人しめ。ボーカルに負けないくらい、もう少しド派手に行ってもよかったかな。と思っていたら2015年に出た2作目はガッと行ってました(笑)。とにかくいいメロディがあって、歯切れが良くって、妙に愛嬌がある。サウンドは全然異なりますが、やっぱポジション的にはウルフルズに近いかも。暑苦しいんだか、爽やかなんだかよく分かりませんが、夏にもってこいのバンド。皆さん、今年の夏はウォーク・ザ・ムーンで乗り切りましょう!

 

Track List:
1. Quesadilla
2. Lisa Baby
3. Next In Line
4. Anna Sun
5. Tightrope
6. Jenny
7. Shiver Shiver
8. Lions
9. Iscariot
10. Fixin’
11. I Can Lift A Car

Talking Is Hard/Walk The Moon 感想レビュー

洋楽レビュー:

『Talking Is Hard』(2015)Walk The Moon
(トーキング・イズ・ハード/ウォーク・ザ・ムーン)

 

こりゃ参った。2枚目でこんなに飛躍するとは思わなかった。1stも結構好きだったけど、出来にムラがあったり垢抜けなかったりで、あと一歩だなあなんて思ってたんだけど、一足飛びにその辺はクリアしてしまった。ていうかクリエイティビティが一気にスパークしているぞ。

まず曲がいい。単に感性だけで作ってたものがなんかコツを掴んだみたいで、曲に深みが出て表情が豊かになった。奇を衒う訳でもなく、正統派のソングライティングで勝負できるようになったということか。色んなパターンの曲を用意する余裕もあって、中にはハイムみたいなのやヴァンパイア・ウィ-クエンドみたいなのがあったり。最後の曲の80’S的なニュアンスなんてThe 1975っぽくもある。11曲目で切なくなって、最後の曲でしっとり終わるっていうのもまた見事。2枚目でもう余裕の構成である。

アレンジの方は更に80’S振りに拍車がかかったようでもろ80’Sなのもあったりするけど、ただそこは当然2010年代の音として緻密に作り込まれており、前作では物足りなかったバックが格段に良くなってる。ベースとドラムの多彩なリズムと表情豊かなボーカルが一辺倒になりがちなシンセ・ポップをしっかりリードしているのがポイントかな。

で、ボーカルも更にパワーアップ。#4『アップ・2・ユー』とか#9『スペンド・ユア・$$$』でシャウトしたり、#11『カム・アンダー・ザ・カヴァーズ』や#12『アクアマン』でしっとりさせたりとなかなかなもので、それがまた暑苦しくなくスマート。今どきこんなはしゃいじゃってるのも珍しいんじゃないかってぐらいはじけちゃてるけど、相変わらず近所の兄ちゃん的なノリで好感度抜群のバンドだ。知的な連中は馬鹿にするかもしれないが、結局小さな子供でも跳ねてしまうこの楽しさに勝るものはない。#3『シャット・アップ・アンド・ダンス』なんて何度うちの子供たちにリピートさせられたことか(笑)
準備は整った。次で一気に最前線へ登りつめるか。

 

1. ディファレント・カラーズ
2. サイドキック
3. シャット・アップ・アンド・ダンス
4. アップ・2・ユー
5. アバランチ
6. ポルトガル
7. ダウン・イン・ザ・ダンプス
8. ワーク・ディス・ボディ
9. スペンド・ユア・$$$
10. ウィー・アー・ザ・キッズ
11. カム・アンダー・ザ・カヴァーズ
12. アクアマン