ポエトリー:
「よき一日」
なぜかきみの庭に羽が降りてきて
そこの一点にだけ
調和を乱す
見事に
縁側へ降りる石段の足が一歩
止まる
夕方の静かなときにだけ訪れる
博愛の自由な精神
意外なことに
きみの声は二手に分かれ
翌日の出来事を掬いはじめた
そうか、目覚めたときはなかったね
道のうねりの理由に
少しだけ気づけたような気がした
わかっていたことが存分に折れはじめた道中で
最近きみはよく笑いはじめる
背恰好がよく似た兄弟姉妹たちの影が
庭に現れては軽口をたたくようになった
きみは炭酸をぐびっと飲み干す
よい一日だったと
2024年5月