ポエトリー:
「フェスティバル」
音楽に沿って未来を見ていくことは美しいこと
絵画を捉えて、こころは穏やか
新しいことを始めるには
まずは絵筆を整え形から
パレットに絵の具を垂らして
五線譜の行方、新しい助走
音楽は始まっているね
そうだね、わたしたちも今から行こうかね
筋肉は付かない
大きな公園へむかって
黄色のバケツを持ってみんな集まりだす
七色のフェスティバルのはじまりだ
僕たちのフェスティバルのはじまりだ
2021年5月
ポエトリー:
「フェスティバル」
音楽に沿って未来を見ていくことは美しいこと
絵画を捉えて、こころは穏やか
新しいことを始めるには
まずは絵筆を整え形から
パレットに絵の具を垂らして
五線譜の行方、新しい助走
音楽は始まっているね
そうだね、わたしたちも今から行こうかね
筋肉は付かない
大きな公園へむかって
黄色のバケツを持ってみんな集まりだす
七色のフェスティバルのはじまりだ
僕たちのフェスティバルのはじまりだ
2021年5月
ポエトリー:
「タペストリー」
しあわせ折れる
ふしあわせ 綴れおり
タペストリー 仕舞い込んで
しわは褪せ 踊る
瞼の上 大げさな太陽
染み込んでは 一度に吐き出す
ぐらいのまね してみるんだお前
吐かなかったろ ゆうべ
めぐり合わせ ていうものがこの世にあるなら
次第に遠ざかる太陽 次に現れるの
いつになるん
たるんだ瞼 一度に吐き出してみるんだ
間違っても 思い通りにならない
珍しい生き物飼って
それで手痺れる
写実な実験を課す
生え際から もらい泣きする輩
もらいなさい
適度にもらいなさい
小細工や小癪な真似通して
うろ覚えの手、握る
徹頭徹尾 私たちが選んだ人生の荒縄
ほどく手指抗うほど伸びやかな
強く引き締めた手綱
マグネットコーティングされた機体を
白熱する有機体を
混ざれ 混ざるな
生ぬるいかんしゃく玉を
はじけ はじけるな
十年くらい前の気持ち ここに集めて
おかわりする気持ち たしなめてください
第一発見者になる能力 ささやかな憂鬱
位置情報で確かめてください
今はどこだか分からぬまま塞ぎ込んで
ふしあわせ 指折り数えました
タペストリー 全部折り
ミリ単位で
つなぎ留める
2021年4月
ポエトリー:
「ジョギング」
裏側まで走る洗濯の群れ
白いシーツ雲に流れ
軽く走り込んで、去る
みたいな
うわべだけ
上手だね
「それジョギング?」
鷹揚に
すべりこむ
2021年4月
ポエトリー:
「共感」
君によせた共感の
ほんの一ミリでもちゃんと伝わっていればいいのに
君の傾きを少しでも思い止まらせることができたらいいのに
なんて
夜の無責任
はな紙みたい
2021年3月
ポエトリー:
「輪廻」
支えられる輪廻
ふた口めをスプーンにすくう
ぼくに出来ること
きみへの目覚め
少しおどかしてほしい
可愛らしいまつ毛におどる
台風のようなひとみ
渦の真ん中には一点
支えられる輪廻
向かわせてほしい
川は流れず吹きこぼれる
スプーンに三口めをすくう
音がして君のうちへ入る
2021年1月
ポエトリー:
『線』
会いたくなると 凍えるの 吹きだまり 水色の 当てもない交差点 見上げれば ほら みんなが知っている水色 空 それなのに 頑なに こらえる心と体が一致する 夕刻まで待てないと あなたも一緒でしょ 一瞬で 夕闇にうっとりする人 もがき苦しむほど 場違いなはらわた 煮えくり返り おまえのせいだ おまえのせいだ とせっつく 軽く口止めする 輩 柔な瞳につっかえて 今晩のおかずは スーパーに立ち寄る秘密 冗談でいいから コロッケひとつ おまけしてください 真面目に話しかけると スーパーの店員の笑顔を鳴らし それでも雲の形は 変わらない もしくは変われない 水溜まり それを写す鏡 水色の空を見下ろし 派手に歪んだ似姿が ぼんやりと海の彼方へ あなたの方へ 帰りたい 帰りたいのと呟く 私の色は かまわないで足踏み 見上げれば 当てもない交差点 苦手な骨格が現れる 私の線がそこにある
2021年2月
ポエトリー:
「シグナルは黄緑」
昨日には 春の嵐が吹き溜まり
黄緑の 花びら装束買いに行く
太陽を遮る手のひらに昇る稜線
気取っていた 似合わないシャツに着替え
日溜まりの光線 夏に浴び
気付いてた 指折る日毎に傷付いていた
外面をぶら下げ靡くお堀端
手のひら繁る黄緑シグナル
蓄えたものが今にも無くなる
秋にはなんだか後ろめたく
後ろの席でずっと、眺めたい
今すぐ始めたい
いい加減にしておくれ
この湯加減は止めにしておくれ
今再び、手のひらの稜線が 行けと言う
もう二度と お前たちの世話にはならないと
春の引き戸、怯える気持ち
私たちどうか無事に、
新しい地球の歩き方 始めます
2稿 2021年3月31日
ポエトリー:
「黄緑」
昨日には 春の嵐が来た
黄緑の 花束買いに行こう
気取ってた 似合わない 斜めに構え
気付いてた 真夜中に傷付いていた
外面ぶら下げて賑やかなお堀界隈
そっと握りしめた黄緑の花びらかわいい
勝ち気なんだ 後ろめたく
はじっこの席で 後ろ眺めたいんだよ
いい加減に いい加減にしておくれ
こんな湯加減 止めにしておくれ
手のひらの黄緑が 行けと言う
もう二度と お前たちの世話にはならないと
新しい地球の歩き方 始めます
初稿 2021年3月27日
ポエトリー:
「プールサイド」
溺れること
歪んだ理想
僕たちは水泳選手になりたかったわけではない
プールサイド
血染めのタオル
僕たちは死ぬまでに何リットルの血を流すのか
濡れる歩道に
息づかいに
よどむあなたの足取り
その足り得る武器で
波立つプールの
荒い呼吸音
大丈夫、
敵わぬはずはない!
報われぬはずはない!
2021年1月
さびしいな あなたはいつも話が短い
かなしいな あなたはいつも言葉が足りない
わたしの心はいつも ひとりでに話し出す
わたしの心は 隠れることも相成らぬまま
あなたはどれだけ盗んだのか
戻らないわたしの心の内を
あなたがキライ だーいキライ
悲しみはいつもひとりごと
短ーい夏の 嵐だ落ちたよカミナリ
うるさーい泣くなよ わたしの心はどこを向いて走る
思い出したくない 思い出したくなくもない
わたしの心は ひとつじゃ足りないメモリー不足
あなたはどれだけ盗んだのか
戻らないわたしの心の内を
あなたがキライ だーいキライ
悲しみはいつもひとりごと
わたしはどれだけ盗めたのか
戻らないあなたの心の内を
あなたがいない どーこにもいない
悲しみはいつもひとりごと