ポエトリー:
「わたしの家」
ひとつひとつは小さいけれど
積み上がったことばかりが
重くのしかかる
そのひとつひとつが家をなしていて
ローンを払い続けている
払う気はないのだけど
朝歯を磨いていると
首筋に歯型を見つけた
いつ付いたのか定かでない
街へ出るとひとそれぞれに
等しく歯型があることに気づいた
が、向こうは気づいていないようで
なぜ今朝のわたしには見えるのか
わからないがローンが満期を迎えるものだけの特権
のような気もしてきた
そうだ
そろそろそれは
わたしのものになる
2025年10月