ポエトリー:
「せめていい方のことだけを」
ライオンの鬣に沿って日が昇ることなどがあると
身だしなみを思わせるフレーズが静かに降りてきて
自分が他所行きのおはようという声を持っていることに驚く
まさかここでさよならは言えないから
余所余所しく挨拶を交わすことになる
北へ向かう幹線道路では渋滞が起きているそうだ
今各々が、時間を忘れたり、名前を付けることを忘れたり、身支度を忘れたり、文字通り、何をするにも
一度には測れない事柄を一旦フリーズし、それは重い足取り、それは静けさ、余所行きのいってらっしゃい
間もなく翌朝、今度は身だしなみを思わせるフレーズがラフに降りてきて、自分が余所行きではないおはようという声を持っていることに気づく
悪いことは考えず
いいことの方だけを
せめて今朝の最寄りの駅までは
2024年7月