ポエトリー:
『さよならは転じる』
君がまだ若かった頃
虹が架かっていた
海は凪いでいた
耳を澄ましていた
外連味ない瞳のブルーと
背伸びをした君との不釣り合い
ある日不意に夕暮れが訪れた
その夜 君を色濃く浮かび上がらせた悲しみは
ビロードの襞となりまとわりついた
ずっと側にいてほしかったと離さなかった
しかしそれは血となり肉となり君の内に根付く
君はまだ知らないだろうが
さよならは
さよならは
すべて転じる
まだ見ぬ君の美に
2014年4月