ポエトリー:
「私たちの仕組み」
実際、あなたの為を思って
此処等にある素材を使って
一つの織物に仕上げてみる
先ずは手当たり次第
必ず、
一旦ハイと答えるあなたの前頭葉は微かに赤に振れ
一方で、
ジグザグに歩く子供たちの
色とりどりの方程式を解く解を視界の隅に捉えたはず
ところが、
金輪際、愛は重箱の中
納めた分だけ夜は腫れ上がり
頑なな定規があてがわれた上唇の
夜露にほどかれてたなびく匂い
よい知らせを待つ時間は長く感じられ
それは風呂上がりには懐かしい記憶
程なく、
遅い時間にお帰りが訪れる
手につたない名を取り合って
とりとめのない夜深むれば
欠けた貝殻の縁
苔むす程に合わされり
一つの織物は
薄い色にして仕上げた
気持ちは平らに記憶は折り重なる
その冷たさが私たちの仕組みです
2019年3月