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Eテレ 日曜美術館「日本で出会える!印象派の傑作たち」2019.2.24放送 感想
今回の日美は、日本各地に点在する印象派の作品をゲストの3名がそれぞれ訪問する趣向。女優の深川麻衣さんはひろしま美術館へ。演出家の大宮エリーさんは山形美術館へ。歌舞伎俳優の尾上右近さんは笠間日動美術館へ訪れていました。
印象派が登場するまでは宗教画や写実的な絵が主流をなしていました。そこへ印象派の画家たちが登場するのですが、専門家たちには「なんだあの絵は。印象を描いているだけじゃないか」と酷評されたそうで、それが印象派という名の語源になったそうです。
日本でも印象派の絵は大層人気ですから、色々な美術館に所蔵されています。今回の番組で印象に残った作家は2名。アルフレッド・シスレーとポール・シニャックですね。シスレーの作品はひろしま美術館に「サン=マメス」、山形美術館に「モレのポプラ並木」が所蔵されています。どちらも美しい絵です。自然の美しい景色がシスレーの眼を通して切り取られています。
ポール・シニャックは点描画で有名です。25才の時に描いた「ポルトリュー、グールヴロ」と68才の時に描いた「パリ、ポン=ヌフ」。どちらも同じ点描ですが手法は大きく異なります。68才の時の絵はそれこそ俳句のようですね。ちょっと勝手に画像を貼付できないのが残念ですが(笑)。
印象派というのは先にも述べたとおり印象を描いたもの。同じ景色でも作家それぞれの見え方というのは当然異なりますから、それぞれの心の風景、或いは目から脳みそに至る過程で変換された風景がそこにあるわけです。
僕たちは寝ている間に夢を見ます。しかし普段見慣れた景色が登場する現実的な夢であっても、実際の場所とはかなり違って見えることがよくあります。僕も夢の中に子供の頃よく利用した駅がふいに登場する時があるのですが、実際の駅とは随分違うんですね。或いは昔懐かしい思い出なんかもそう。印象に残る出来事、人、景色というのはある程度覚えていても、その周りの風景というのは案外大雑把なものです。
人間の脳みそというのは写真じゃありませんから、やはり印象に残っている部分しか覚えていないんですね。けれど強く印象に残っている部分はちゃんと覚えている。しかも場合によってはイメージを増幅させより強く残るものに補正している場合がある。印象派の絵は言ってみればそのような絵なのかもしれません。
それにしても、、、。モネの絵はそこらじゅうにあるな(笑)。