ポエトリー:
『年の瀬に』
君に届け
言葉に乗って
君に届け
言葉に沿って
僕は君に
伝えたいことが
人より多くある
例えば今朝の
澄んだ空気や
例えば町の
賑やかなお囃子
僕は君に
届けたい
言葉に乗せて
届けたい
僕は人より多く
君に話したいことがあるんだ
例えば冬の冷たい朝
人より先に冷たいねって伝えたい
例えば冬の三日月
人より先に綺麗だねって伝えたい
遠くのものから近くのものまで
君と僕を隔てる妙な諍いとか
濡れた瓶の縁まで
そびえる障害はそのままにして
その苛立ちの語尾が丸くなるように変換して
君と僕の日常にして照らし出す
そんな日があってもいい
だって今年ももう
残り僅かだから